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妻夫木 皆さん本当に家族のように過ごしながら撮影しています。僕自身、1日1日が過ぎるたびに「このシーンはもう二度とやらないんだな」と寂しさを感じるくらいで、それほど毎日がいとおしく、充実した日々を送れているのかなと思います。どの現場でも監督の名前を冠して“〇〇組”と呼ぶのですが、今回は塚原(あゆ子)さんが監督なので“塚原組”です。この塚原組は衣装合わせの時からすごく温かい空気があって、その包容力がどんどん広がっていき、今は本当に家族のように一緒に過ごしながら撮影できていると感じます。佐藤さんはどうですか?
佐藤 うちの座長は本当に優等生だね。私は正直きついです。役者同士だけではなく、馬という、損得では動かない存在を相手にしているので。そこに何かを求めることの難しさはありますが、その良さを引き出そうとみんなで頑張っている。これは普通の撮影に比べるときついですよ。子どもと動物にはかなわないですね。
妻夫木 北海道は快晴のイメージがあり、これまであまり雨に降られたことがなかったんです。結構土砂降りの日が続き、なんとかかいくぐって撮影していました。その中で、自称晴れ男、晴れ女がたくさんいて、毎日のように「誰が犯人か」という犯人探しが繰り広げられていました。僕は塚原監督があやしいと思っているんですが、浩市さんは僕を犯人に仕立て上げようとしていて(笑)。
佐藤 座長が来ると天気が崩れるんだよ。
妻夫木 いやいや、そんなことはないと思いますよ(笑)。
佐藤 冗談抜きで、僕も北海道で10本近く撮影してきましたが、こんなに天候が崩れるのは珍しい。日高の人に聞いても「こんなに降ることはない」とおっしゃるくらい。その中で撮影している。これが逆に作品にプラスに働いてくれればと思います。
妻夫木 撮影できることが当たり前じゃないってことですよね。
妻夫木 僕らの都合で撮影を進めなくてはいけない中でも、馬たちが本当に頑張ってくれています。ある日の撮影で命と命が触れ合う瞬間を見て、思わず涙が出ました。馬も人も関係なく、触れ合った瞬間に無条件に幸せを感じ、「この瞬間のためにこのドラマをやっているんだ」と思ったんです。触れるだけで癒やされますし、かわいいです。
佐藤 僕は乗り役でもあるので、馬との関係性は特別です。馬は、またがった瞬間に「この人は乗れるかどうか」を見抜くといわれています。乗れないと判断されると全く言うことを聞いてくれませんが、「乗れる」と分かると驚くほど従順になる。不思議なものですよね。馬は草食動物なので視野は広いけれど浅く、意外に足元が弱くてつまずくことも。そんな時、手綱をそっと引いてあげると、「助けてもらった」と感じたのか、その後ぐっと従順になってくれるんです。それから、僕は馬に話しかける時、普段より少し声を高めにしています。低音を苦手とする動物も多いので、「大丈夫だよ」と優しく高めの声で伝えると、反応が変わるんです。そうしたやり取りを積み重ねるうちに関わり合いが深くなっていく。皆さんにもこのドラマを通して、馬のかわいらしさや、生き物としてのすごさを感じてもらえたらうれしいです。
妻夫木 このドラマに関わるまで“継承”という言葉をあまり意識していなかったのですが、台本を読む中で、この物語は馬と人の継承を描いていると感じました。その裏にはさまざまな人の思いが託されていて、「何を思い、何を受け継いできたのか」「そして僕たちは何を託していくのか」。答えがないことなのかもしれませんが、視聴者の皆さんと一緒に答えを探していけたらと思います。
佐藤 おっしゃる通りです。継承というと古くさく聞こえるかもしれませんが、実際には構築していくもので、ただ受け継ぐだけではない。このドラマを通して、そういうことを感じてもらえたらと思います。

(C)TBSスパークル/TBS
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