原田琥之佑「この映画は、何でもあるけど、何にもないみたいなところが一番の魅力だと思います」『海辺へ行く道』【インタビュー】

2025年8月26日 / 10:00

-同年代の共演者とはアドリブでやり取りをしたこともありましたか。

 奏介がテルオたちと大きなオブジェを作るシーンがあって、映画のスピードはずっとゆっくりなのに、あのシーンだけ会話のスピードが速くなるんです。そこで結構アドリブを入れたんですけど、長過ぎたのかだいぶカットされてしまいました。

-ロケは小豆島でしたそうですね。

 1カ月ぐらいいました。大人のキャストたちは島から出て、別の仕事に行って、また島に戻ってくる感じでした。小豆島って、いい意味であまり物がないので、すごく空気もきれいだし、心地いいので印象深いです。

-お母さん役の麻生久美子さんをはじめ、共演者の人たちで印象に残ったことはありましたか。

 麻生さんが本当のお母さんみたいに優しくて包容力のあるお芝居をしてくださったので演じやすかったです。それから特に印象に残ったのは菅原小春さんです。僕もダンスをちょっとやっているので、菅原さんがすごいダンサーだということは知っていましたが、お芝居もするんだということにとても驚きました。

-原田さんにとってこの映画は、どんなものになりましたか。

 何より俳優陣も製作陣もすごく個性がある方々だったので、撮影の日々が昨日のことのようによみがえってきます。とても楽しかったです。大変だったのは、当時僕は髪の毛が短くて、かつらを被っていたのですが、小豆島の夏はすごく暑いんです。おまけに奏介は重ね着が多くて荷物も多いのに、基本走り回っていて…。だから暑さが一番大変でした。

-原田さんにとって、ターニングポイントになったと思うことはありますか。

 初めて出た『サバカン SABAKAN』(22)という映画です。お芝居が初めてだったので撮影の前日まで怖くて嫌だと思って何回も泣いたんです。でも、いざやってみたらすごく楽しくて。撮影する前は、特に趣味もなかったし、心の底から楽しいと思えることもなかったんですけど、お芝居をやってみたらものすごく楽しくて。「これだ!」と思いました。

-10年後、25歳の自分に向けて何かメッセージを送るとしたら。

 ちゃんと真面目に俳優をやっているのかを聞きたいです。未来の自分にチャラチャラしてほしくないので、真面目にやっててよと思います。

-観客や読者に向けて、この映画の魅力をアピールしてください。

 この映画は、何もない島での少年たちの青春劇のようなお話です。でも芸術もあるし、人の温かさもいっぱいある。だから何でもあるけど、何にもないみたいなところが一番の魅力だと思います。個性が強いキャラクターがたくさん出てきますが、大人より子どもの方が大人です。そこも魅力だと思います。

(取材・文/田中雄二)

(C)2025映画「海辺へ行く道」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】9月の公開映画から

映画2026年10月8日

「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」(11日公開)★★★ 戦争が残した加害と被害の記憶  ベトナム戦争に従軍した元海兵隊員アレン・ネルソン(ロドニー・ヒックス)は、帰国後も戦場の記憶に苦しみ続ける。だが、自らの戦争体験を人前で語り始 … 続きを読む

伊原六花「七五三掛さんが一緒で心強い」七五三掛龍也「伊原さんはオールマイティーな方」痛快リベンジ・エンターテインメントで共演「小麦とバターと復讐と」【インタビュー】

ドラマ2026年10月7日

 10月7日(水)よる11時からカンテレ・フジテレビ系全国ネット「水ドラ★イレブン」枠で、新ドラマ「小麦とバターと復讐と」がスタートする。  夫と助手に裏切られ、命を落としたパン職人の野崎ミチルが、2年前にタイムリープし、過去をやり直しなが … 続きを読む

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

-実在の人物を演じる難しさは感じましたか。 川口 彼女が残した日記や言葉、映像も少なからずありましたが、自分なりの解釈はせず、監督を信じて飛び込んでみるという感じでした。本当に一つずつ模索しながら作っていったという感覚でした。 高杉 こうい … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

-今回は広瀬アリスさんとの共演でしたが、『ゆきてかへらぬ』では、妹のすずさんとも共演しましたね。  シンプルに、男と女として対峙(たいじ)する役ができたことはすごくうれしかったですし、すずちゃんもアリスさんも、自分の実年齢とは関係なく、僕が … 続きを読む

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

-そうした難しい役どころゆえ、共感はなかなか難しいのでは?  それはあまり心配していないです。先日、トム・ストッパードの「ハード・プロブレム」という作品を観劇したんですよ。その作品も、日本人とは違う感情の変化が描かれた作品でした。楽しく会話 … 続きを読む

page top