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安田 撮影が終盤に差し掛かった頃、原作者のキム・スジンさんにお目にかかる機会があったんです。キム・スジンさんは、それぞれのキャラクターに、ものすごく細かいバックボーンを作っていて、「このシーンでは、こういうアプローチをしましたが、合っていますか」と質問すると、“立て板に水”のように答えが返ってくるんです。うれしいことに、その答えと自分の考えがほぼ一致していて。しかも、キム・スジンさんは「富樫の孤独を満たしてください」という手書きのメッセージ入りの台本までくださったんです。そのメッセージを読み、僕の中で「怪物」というタイトルと、どこかつながるものを感じました。
水上 僕は、撮影の待ち時間に安田さんと2人でファミレスに行ったときのことが印象に残っています。僕は自分を知ってもらおうと「自分はこんな人間です」と話していたんですけど、安田さんは富樫の衣装のままだったので、ふとわれに返って「僕はこの人を追い詰めていくんだよな」と、不思議な感覚になって(笑)。
安田 水上くんは衣装を汚さないように私服に着替えていたんだけど、僕はそのままで(笑)。そういうきちんとしたところは、見習いたいと思った。でも、あのとき楽しく会話したおかげで、水上くんが、役について深く考え、演じることが心から好きな役者だとわかって、いい関係を作れたよね。
安田 ハードなサスペンスでありながら、作品の根底には「親子」という普遍的なテーマがあり、さまざまな親子関係の歪みを盛り込みつつ、最後まで飽きさせることなく進んでいく。その緊迫感にあふれた濃密な人間ドラマが素晴らしかったです。
水上 安田さんがおっしゃった普遍的なテーマは、「名作」と呼ばれる作品には必ず込められているものですよね。しかもそれは、どの時代、どの国、どんなコミュニティーでも通用する。ストーリーの斬新さだけでなく、そういった部分が、原作の韓国版が高い評価を受けた理由のような気がします。もちろん、この日本版でもその点は十分リスペクトした上で作っているので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。
(取材・文/井上健一)
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