エンターテインメント・ウェブマガジン
画像提供:WOWOW
安田 撮影が終盤に差し掛かった頃、原作者のキム・スジンさんにお目にかかる機会があったんです。キム・スジンさんは、それぞれのキャラクターに、ものすごく細かいバックボーンを作っていて、「このシーンでは、こういうアプローチをしましたが、合っていますか」と質問すると、“立て板に水”のように答えが返ってくるんです。うれしいことに、その答えと自分の考えがほぼ一致していて。しかも、キム・スジンさんは「富樫の孤独を満たしてください」という手書きのメッセージ入りの台本までくださったんです。そのメッセージを読み、僕の中で「怪物」というタイトルと、どこかつながるものを感じました。
水上 僕は、撮影の待ち時間に安田さんと2人でファミレスに行ったときのことが印象に残っています。僕は自分を知ってもらおうと「自分はこんな人間です」と話していたんですけど、安田さんは富樫の衣装のままだったので、ふとわれに返って「僕はこの人を追い詰めていくんだよな」と、不思議な感覚になって(笑)。
安田 水上くんは衣装を汚さないように私服に着替えていたんだけど、僕はそのままで(笑)。そういうきちんとしたところは、見習いたいと思った。でも、あのとき楽しく会話したおかげで、水上くんが、役について深く考え、演じることが心から好きな役者だとわかって、いい関係を作れたよね。
安田 ハードなサスペンスでありながら、作品の根底には「親子」という普遍的なテーマがあり、さまざまな親子関係の歪みを盛り込みつつ、最後まで飽きさせることなく進んでいく。その緊迫感にあふれた濃密な人間ドラマが素晴らしかったです。
水上 安田さんがおっしゃった普遍的なテーマは、「名作」と呼ばれる作品には必ず込められているものですよね。しかもそれは、どの時代、どの国、どんなコミュニティーでも通用する。ストーリーの斬新さだけでなく、そういった部分が、原作の韓国版が高い評価を受けた理由のような気がします。もちろん、この日本版でもその点は十分リスペクトした上で作っているので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。
(取材・文・写真/井上健一)
画像提供:WOWOW
ドラマ2025年7月5日
-松本さんとは初共演ですね。現場での印象は? 「はい、行くよ!」って声をかけて引っ張っていってくださる兄貴肌です。スタッフの皆さんとも積極的にコミュニケーションを取っていらっしゃる姿も見ますし、松本さんの存在で撮影現場全体が活気づいている … 続きを読む
映画2025年7月4日
-陽彩はいわゆる“毒親”の母と2人で暮らすうち、自分の人生に期待を持てなくなってしまった人物です。そういう役と向き合うお気持ちはいかがでしたか。 南 陽彩にとって、親や家族は、居場所であると同時に、自分を縛る呪いのようなものでもあったと思う … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月4日
2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。 物語の舞台は歌舞 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月3日
▽長い時を刻む、大衆文化とは異なる魅力 -Kカルチャーが世界で注目される今、今回のような舞台表現はKカルチャーの中にどう位置づけられると思いますか? K-POPや映画などの大衆文化も素晴らしいですが、伝統芸術はそれよりもはるか以前から続い … 続きを読む
映画2025年7月3日
-実際に演じてみて感じたことや、演じる上で心掛けたことや気を付けたことはありましたか。 自分が桐島を演じる上で一番重要だと思ったのは、(偽名の)「ウチダヒロシ」として、1人の部屋で朝を迎えて、窓を開けてコーヒーを飲んでというシーンでした。 … 続きを読む