フレッド・ヘッキンジャー「トム・クルーズがものすごいアクションをしてハラハラドキドキするようなことが、日々の生活の中にもあるかもしれない」『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』【インタビュー】

2025年6月4日 / 10:50

-『ミッション:インポッシブル』のトム・クルーズがテルマの後押しをするところが面白かったです。

 『ミッション:インポッシブル』は僕も大好きです。父と新作が待ちきれないと話し合ったばかりです。ジョシュが「自分のおばあちゃんが寝返りを打つのを見る時は、それこそトム・クルーズがパラシュートで飛び降りるのと同じぐらいドキドキする」と言っていました。それは、トム・クルーズのスパイがものすごいアクションをしてハラハラドキドキするようなことが、実は自分の日々の生活の中にもあるかもしれないということです。もちろん自分はスパイではなく、世界を救うようなこともしていないけれど、トムと同じように、日々の生活の中で身の回りに起きる惨事をいかに避けるか、周りの人の安全をいかに守るかということで結構頑張っているとジョシュは感じたそうです。彼のそんな考え方に僕もすごく共感しました。

-完成作を見た感想をお願いします。

 非常に感動しました。ジョシュが思い描いた通りの映画ができたと思いました。これはとても珍しいことだと思います。自分が思い描いた通りに映画を完成させるためには、集中力も必要ですが、愛情や粘り強さや忍耐も必要だからです。製作している途中でいろいろ妥協しなければならないこともあると思うので。それを見事に乗り超えて、彼が最初に「こんな映画を作るんだ」と僕に電話で話してくれた通りのものができたと思います。彼は決してフォーカスを失うことがありませんでした。サンダンス映画祭で初めて観客と一緒に映画を見た時のことは一生忘れないと思います。自分が関わった映画を世に出して、皆と分かち合うことができたと実感できました。

-この映画は今後の俳優活動にとってどんなものになったでしょうか。

 とても大きなものになったと思います。この映画は、素晴らしいチームがとても愛情を込めて作ったものですし、こういう映画を作ることができるという光を照らしてくれたと思います。どんな年齢の人が主人公でも、感動を与えることができるということ。誠実で愛にあふれた映画を作りさえすれば、それを喜んで見てくれる人がいるということです。今の映画では、年配のキャラクターは脇役になることが多く、老人がいない世界が描かれることも多いと思います。ジョシュはそこにすごくフラストレーションを感じていたと思います。これまで脇役だったジューンが、今回初めて主演で輝いたところも素晴らしいですし、今後こうした年配の人の物語が作られるきっかけになればいいなと思います。

-大変映画好きとお聞きしています。日本の映画で好きな映画はありますか。

 黒澤明監督の『天国と地獄』(63)です。前半と後半とでは全くトーンが違います。前半は家の中で展開し、後半は舞台が広がってペースも早くなっていくところが素晴らしいです。何度も見て影響を受けました。他にも日本の映画から影響を受けたことがたくさんあります。

-最後に映画の見どころも含めて、日本の観客に向けて一言アピールをお願いします。

 日本で公開されることにすごくワクワクしています。去年『グラディエーターⅡ』のプロモーションで初めて日本に来ましたが、本当にすてきな体験をさせてもらいました。日本映画もずっと見てきたので日本は大好きです。ジョシュ・マーゴリンは素晴らしい映画作家なので、アクションとコメディードラマというトーンが違うジャンルを見事に融合させたものになっています。これまでにない映画が出来上がったと思っていますので、ぜひ皆さん見てください。皆さんに共感していただけたらうれしいです。

(取材・文/田中雄二)

(C)Courtesy of Universal Pictures

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