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岡本玲「自分の素の部分も出し惜しみせずに」長妻怜央「社長らしいしぐさに苦戦」 TOKYO MX新月曜ドラマ「その結婚、正気ですか?」【インタビュー】

「その結婚、正気ですか?」© アキラ/ソルマーレ編集部 © TOKYO MX

 岡本玲と7ORDERの長妻怜央が、ドラマ「その結婚、正気ですか?」(TOKYO MX 毎週月曜 後10:00 8月7日スタート)で共に連続ドラマ初主演。物語は、累計500万ダウンロードを突破したコミックを原作にした、ズボラなアラサー女子×年下イケメン社長の格差婚ラブコメディー。恋愛に憶病になり、いわゆる“普通の結婚”の難しさに気付いた主人公・篠原奏音(岡本)の前に、金持ちの年下イケメン社長・城咲真(長妻)が現れ、突然プロポーズ。果たしてこれは、シンデレラストーリーになるのか――。今作が初共演であるW主演の2人に、作品の魅力や撮影現場でのエピソードを聞いた。

© アキラ/ソルマーレ編集部 © TOKYO MX

―今回演じた役について、どんなところに魅力を感じましたか?

岡本 奏音は33歳アラサーで、夜な夜な晩酌するのが大好きなズボラ女子。“まさか自分が結婚できるなんて”と思っていたのに、城咲さんに電撃プロポーズされ翻弄(ほんろう)されていくんですけど、私が奏音の好きなところは、自分を認めているところですね。今までの恋愛経験からトラウマを抱えている部分も、自分のズボラさも、仕事は大事にやっていきたいという自信も、全てをひっくるめて自分なんだ、という強い意志を持った女性だなと思いました。

長妻 僕の役どころは、見た目通りのイケメン社長。

岡本 よっ、イケメン!

長妻 おっ、イケメン! ということで(笑)、オフィスが似合う役をやらせていただきました。普段の僕はそんなことないんですけど、カッコ付けたり、時にはお姫様抱っこをしてみたり。女性経験は少ないけれど、“この人だ!”と決めた奏音さんにはしっかりアプローチしながらちょっと困らせていくという役。好きなところは、お金がいっぱいあるところですね!

岡本 アハハ!

長妻 こんなにお金がいっぱいあったらどうしようかなって。心の余裕が生まれるんだなっていうのは感じました。

© アキラ/ソルマーレ編集部 © TOKYO MX

―演じる上で大変だったことは?

長妻 歩き方。僕は、普段は横断歩道の白い部分しか踏まないような歩き方なので(笑)、しぐさに素が出てしまって。あと、カメラの画角は決まっているので、僕の俊敏性がマイナスに働いてしまうことは多かったです。

岡本 「動かないで!」ってよく言われていたよね?

長妻 そう、奏音が転びそうになったところをパッと支えるシーンでも、「大丈夫?」って言いながら(激しくサッと動いて)画面から一瞬消えちゃう、みたいな。しぐさには苦戦しましたね。

岡本 大人っぽいしぐさがね。

長妻 難しかったですね。でもおかげで、普段は時計をしないんですけど、いつでも時間をチェックできるしぐさが身に付きました!

岡本 大変だったところは、奏音のような強い女性が、目の前にイケメン社長が現れたときに、どこまで素直にニヤけていいものか、喜んでいいものか、もう少し突っぱねるのか。そのバランスは監督と細かく相談しながらやっていました。そこは大変でしたけど、面白かったです。あとはもう、長妻さんのこういうところに笑わないようにするのが大変でした! 撮影中もずっとこんな感じだったので(笑)。

長妻 ハハハ! 何回か笑ってましたけどね? 後半は、僕は笑わせることしか考えてなかったので(笑)。

© アキラ/ソルマーレ編集部 © TOKYO MX

―共演する中で、お互いの役と普段の姿が重なるなと感じたところはありましたか?

長妻 岡本さんはもう、奏音さんなんじゃないかなと思いました。職場での奏音さんと家での奏音さんは違うと思うんですけど、職場での奏音さんが岡本さんの素なんじゃないかなって。真っすぐで、すごくやりやすかったです。

岡本 今回はあまり、役柄に“なる”とか“別人をまとう”とは考えず、自分に近い部分を出し惜しみせずに出したほうがいい作品になるのかなと思ったので、結構、素でやっていましたね。家にいるときのシーンでは、自分の中のオジサンっぽい部分も全面に出していました(笑)。社長は…長妻さんのことは撮影中、「社長」って呼んでいたんですよ。

長妻 みんなが僕のことを、「社長」って呼ぶんですよ! 僕も成長して、とうとう社長になりました! でも僕と城咲の似ているところなんてないですよね?

岡本 でも、究極に優しいじゃないですか。きっと、誰に対しても。そういう部分は、城咲が身内に対して見せるピュアな部分と重なるなと思いました。あとはビジュアルも。ピュアでイケメンな城咲を演じられる人は、なかなかいないと思いますよ。

長妻 (小声で)本当ですか…うれしいです。褒められると恥ずかしい(照)。

―お2人とも連続ドラマ初主演。どんな意気込みで撮影に臨みましたか?

岡本 コメディーをやってみたいなという思いはずっと昔からあったのですが、まさか30歳を過ぎてラブコメのヒロインができるとは、奏音と同じように“夢のような話”だなと思いました。なので、あまり作りすぎず、等身大のズボラな部分も見せながら、でもちゃんとキュンとするところはラブコメのヒロインらしく演じられたらいいなと思って挑みました。

長妻 僕はドラマ自体も人生で3回目。経験が少ない中で主演というのはビックリしましたけど、そこは岡本さんがいらっしゃるので、安心して任せました! だから僕は主演という感じではなく、“困らせる弟”みたいな感じでやらせていただきました。最初は不安もありましたけど、撮影に入ったら岡本さん演じる奏音さんが引っ張ってくださったので。ありがとうございました!

岡本 こちらこそ(笑)。長妻さんは初対面のときからこの感じで、本当に現場を常に明るくしてくれて。ちょっと照れてしまう胸キュンシーンでも思う存分ふざけてくださるんですけど、やることはきちんとやるというメリハリの利いた方なので頼もしかったですし、スタッフの皆さんも含めて楽しい作品を作れたのではないかなと思います。

長妻 岡本さんも、ずっと明るく天真らんまんで、笑顔が太陽のような方だなって。最初から楽しい現場になるだろうなという印象でしたけど、実際に楽しく撮影を終えることができました。セリフの言い回しだけでなく状況や作品に何が合うのかをすごく考えていらっしゃるんだなというところは、一緒にお芝居をしていてプラスアルファで感じた部分ですね。

© アキラ/ソルマーレ編集部 © TOKYO MX

―ラブコメディーならではの“キュン”シーンも盛りだくさん。お2人が特にオススメのキュンポイントは?

岡本 たくさんあり過ぎるんですよ。

長妻 1つは酔っ払っているシーンじゃないですか? 酔っ払ってソファでイチャコラするシーンがあるんです。

岡本 社長の酔っ払ったお芝居がめちゃめちゃ良くて! 世の女性は、全員“キュン死に”するんじゃないかっていうレベルで、かわいい城咲を長妻さんが全力で演じられています。

長妻 いやいや!

岡本 男性のカメラマンさんも思わずずっとニヤニヤしていたくらい(笑)。あれは、いいモノを見せていただきました。

長妻 僕が持っているキュンは全部詰め込みました。チューするのかしないのか、その前に“服着てるの?”みたいなシーンなんですけど、あのシーンはアブないですね。皆さん、お酒には気を付けたほうがいいですよ!

―タイトルにちなんで、撮影中に「正気ですか?」と思った出来事は?

長妻 それはいっぱいありますよ。

岡本 いっぱいあるよね!

長妻 お風呂のシーンがあったんですけど、お湯が熱い上に撮影も結構長かったんですよ。

岡本 撮影用ではない、リアルなお風呂の温度だったんです(笑)。

長妻 それで、奏音さんを見たら顔が完全にのぼせちゃっていて、「おい! 正気か?」って。

岡本 アハハ!

長妻 心配になりました(笑)。

岡本 私もそのシーンですね。私はのぼせないようにしながら撮影に集中するのに精いっぱいだったので、社長が気を使ってくれたのか、現場を盛り上げようとふざけ倒していて。

長妻 ホントにふざけてたなぁ~。

岡本 小学生の水遊びのようにふざけていたんですけど、そこは結構大事なシーンだったので、「正気か?」とは思っていました(笑)。「ケガするなよ?」って言いたくなるくらいだったので。

長妻 衣装部屋からパンツ一丁でポーンと出てきてピヨピヨ歩き回って、「戻ってきなさい!」って怒られて戻る、みたいな(笑)。

岡本 小学生みたいですよね? そういうときは、社長感は0ですね。

長妻 僕はカメラが回っているときだけしか社長にはなれないので。普段は絶対に、あんな風にカッコ付けられないですもん!

© アキラ/ソルマーレ編集部 © TOKYO MX

―長妻さんは今回、長妻怜央 from 7ORDERとしてエンディング主題歌「シンデレラストーリー」を担当。作詞・作曲もされたそうですね?

長妻 へぇ~。

岡本 「へぇ~」じゃないよ(笑)。

長妻 逆に、岡本さんが聴いてどう思ったかをお聞きしたいんですよ?

岡本 いやいや、まず自分でしょ!

長妻 いやいやいや!

岡本 でも主演の方がエンディング主題歌の作詞作曲もされることなんてそう多くはないと思うので、感動しました。とても良い曲で、次の週が楽しみになるような、ワクワクするような、ちょっとセクシーな曲です。どうですか?

長妻 僕が答えるんですか?

岡本 自分の言葉で話しなさい!

長妻 僕は作るときに、ドラマをメインとして考えはするけれど、あまり直接的な表現はしないようにしようと思ったんです。“自分にもちょっと思い当たる節があるな”みたいな、ある程度の視聴者の方との距離感も考えつつだったので、難しかったです。でも結果として、1番の歌詞はドラマ撮影前に考えて、2番はドラマの撮影中に考えたので、それは良い対比になっているんじゃないかなと僕の中では思っています。このドラマと、今までも7ORDERで一緒にやってきた音楽チームと、みんなで作り上げた作品なんだなということを、完成してあらためて実感できました。次はそれがテレビで放送されたときにどう感じるのか、すごく楽しみですね。

―女性が共感する要素も盛りだくさんなドラマだと思いますが、男性も楽しめそうですか?

長妻 もちろんですよ! 僕は見ていて楽しかったです。奏音さんのお家にいるときの姿とかね。まあ、そういう部分は僕だけのものにしたいところではありますけども、ぜひ見ていただきたいです。世の男性は全員、奏音さんに出会ったら城咲と同じことをすると思います!

岡本 この作品は、告白シーンがないんですよね。「好きです」「付き合ってください」とか、いわゆる告白をして恋愛して結婚ではなく、「契約婚をしましょう」から始まるので。ドキドキするシーンもありながら、本当にお互いの気持ちが通じ合うまでのじれったい部分を丁寧に描いていて、コメディーの部分、ファンタジーの部分、リアルな部分が絡み合ったドラマなので、そこを楽しんでいただけたらうれしいです。

(取材・文/関亜沙美)

エンディング主題歌「シンデレラストーリー」長妻怜央 from 7ORDER 8月7日(月)配信リリース

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