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【インタビュー】朗読劇「手紙」 福田悠太(ふぉ~ゆ~)×高田翔、越岡裕貴(ふぉ~ゆ~)×室龍太が兄弟役に挑戦!「アイコンタクトで通じ合える仲なので、兄弟役はバッチリです」

 ふぉ~ゆ~の福田悠太と越岡裕貴、室龍太、高田翔が出演する朗読劇「手紙」が、9月16日から上演される。本作は、弟の大学進学のための金欲しさに空き巣に入った屋敷で誤って強盗殺人を犯し、服役している兄・武島剛志と、「強盗殺人者の弟」という世間のレッテルに苦しみながら生きる弟・直貴の手紙のやり取りを描いた東野圭吾の同名小説を、”朗読”という形で表現。脚本・演出を横内謙介が担当し、福田×高田、越岡×室のペアが、4公演ずつ兄弟役を演じる。4人に、公演が決まったときの心境や本作の魅力や「手紙」にまつわる思い出を聞いた。

朗読劇「手紙」(左から)高田翔、福田悠太、越岡裕貴、室龍太(写真/福岡諒祠(株式会社GEKKO)

-本作の出演が決まったときの気持ちを教えてください。

福田 僕は朗読劇に挑戦するのが初めてなのでうれしかったですし、それが東野圭吾さんの『手紙』という好きな作品だったので、自分の新しい自慢ができたなと思いました(笑)。

越岡 東野圭吾さんの作品を読みあさっていた時期があったのですが、『手紙』は東野さんには珍しいヒューマンドラマ系だなと思って印象に残っていたので、朗読劇としてやれることが楽しみでした。「手紙」の文化って最近はなくなってきているので、改めて「手紙」の良さをお客さんに伝えることができたらいいなと思います。

 僕も東野圭吾さんの作品を演じさせていただけるのは、俳優としてすごくありがたいことだなと思いました。

高田 有名な作品なので、緊張感もありながら、舞台として成功させたいなと思いました。「手紙」という大きな作品に出会えたことはラッキーだなと思いますし、とにかく意気込みがすごいです(笑)。

-原作を読んだ感想は? また、どんなところに魅力を感じましたか。

福田 心にグサグサと刺さって、読後は言葉には言い表せないような悲しい気持ちだったり、でも、なぜかすがすがしい気持ちにもなるような、不思議な気持ちになる作品だなと思います。

越岡 それ、すごく分かる。原作はめちゃくちゃ面白くて、最後は”スカッと感”みたいなものを僕も感じました。ファンタジーではなくて、もしかしたら身近にあり得ると言えばあり得る話なので、何かしらに自分を投影できるのかなと思います。

高田 人生を生きていて、ことあるごとに「強盗殺人者の弟」というレッテルがつきまとってくる人生ってどういうものなのかなと想像したら、本当に大変というか。どう生きていったらいいのかなと自分に置き換えながら原作を読んだのですが、胸が痛くなりました。

 メッセージ性がある作品だなと思いました。重大事件を起こしたら、こんなことが起こって、周りにこういう影響を及ぼすんだなとか、本当に考えさせられました。

-自分の役を、どのように表現していきたいですか。

越岡 僕と福田は、武島剛志というお兄ちゃん役を軸に、いろいろな役柄を演じさせていただくことになるので、それぞれの役をどう演じ分けるかが楽しみです。僕は朗読劇の経験がないので、いろいろな葛藤があると思いますが、そこも楽しみたいです。

福田 僕が演じる兄は、おりの中でどういう生活を送って、どういう風貌になっているのかも分からないまま話が進んでいくので、想像力が面白い方に働くように朗読したいです。

高田 弟は、最初は高校3年生から始まって月日が流れていくので、その年月の変化を声だけでどう表現するのかが鍵になってくるのかなと思います。今回はいろんな挑戦があるので、稽古の中できちんと準備をしていきたいです。

 弟は何をしていても犯罪者の兄貴の存在が出てくるので、繊細なところを演じ切れるのかなという不安もありますが、演出の横内さんと稽古の中で積み上げていきたいです。

-福田×高田、越岡×室の兄弟ペアで朗読をしますが、それぞれペアの相手に対する印象を。それから、自分たちのペアの強みはどこにあると思いますか。

高田 福田くんとは、「SHOW BOY」という舞台で共演して、アイコンタクトで通じ合える仲になれたと思っているので、そういう関係性を朗読劇で出していきたいです。僕は兄弟で一番上なんですけれど、お兄ちゃんがずっと欲しかったので、本当のお兄ちゃんのように思ってやらせていただきたいです。

福田 高田とは関係性ができているので、不安も抵抗感もなく、普通に兄弟としていられているなと思います。僕たちペアの強みは、2人とも名字に田がついている”田組”なので、名字が似ているところです(笑)。

越岡 室とは以前、お芝居を一緒にやっていたので先輩と後輩という壁がなく、友達感覚で話せる仲だなと思っていますし、お互いに関西出身で波長が合うので、やっていて楽しいです。そして、僕たちペアの強みは、ご飯には困らないこと。僕が全部支払うので、そこですね(笑)。

 僕は先輩、後輩という線はしっかりと引いています(笑)。こっしゃんさん(越岡)とは、以前ほんまに濃い時間を一緒に過ごして、お互いになんでも言い合える間柄ではあるので、何の心配もなく先輩の胸を借りています。

-作品にちなみ、「手紙」にまつわる思い出があれば教えてください。

越岡 タッキー&翼のコンサートのときに、ふぉ~ゆ~のメンバー同士で、お互いへの思いや感謝の気持ちをおふざけなしで手紙に書いてくるというのを、滝沢(秀明)くんの発案でやったことがあって。松崎(祐介)が手紙を読んだら、その内容が良過ぎて、号泣した思い出があります。

福田 ふぉ~ゆ~とタッキー&翼という男6人で、地方のホテルで夜中に酒を飲んで号泣したよね。最初は滝沢くんも(今井)翼くんもみんな軽い気持ちで、松に「読めよ」「おもしれー」と言っていたのですが、いざ読んでみたら、滝沢くんと翼くんも「おまえらいいなあ~」と言って号泣して。手紙ってやっぱり重みを感じますね。皆、この作品が終わったらお互いに書き合おうね(笑)。

(取材・文/小宮山あきの)

 朗読劇「手紙」は、2021年9月16日~20日 都内・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演。

公式サイト https://roudoku-tegami.srptokyo.com

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