【インタビュー】ミュージカル『新テニスの王子様』越前リョーマを演じる、今牧輝琉「新しいテニミュを皆さんにお届けしたい」

2020年12月26日 / 07:00

 ミュージカル『新テニスの王子様』The First Stageが、12月12日に開幕した。本作は、2009年3月から『ジャンプSQ.』に連載中の『新テニスの王子様』を初めて舞台化した作品。中学生テニストーナメントの全国大会を終え、秋に始まったU-17(アンダーセブンティーン)日本代表合宿に特別参加することになった青学(せいがく)テニス部のメンバーが、かつてのライバルたち、そして、つわものぞろいの高校生たちとしのぎを削る姿が描かれる。本作から越前リョーマ役を演じる今牧輝琉に、公演への意気込みを聞いた。

越前リョーマ役の今牧輝琉

-ミュージカル『テニスの王子様』は、2003年に舞台化されて以降、累計動員数290万人を突破する大人気シリーズです。今回初めて舞台化されるミュージカル『新テニスの王子様』で、越前リョーマ役を演じることが決まったときはどんなことを思いましたか。

 リョーマ役に決まったことを聞いたときは、驚き過ぎて体が動かなくなってしまいました(笑)。2時間ぐらいは、全く実感も湧かなかったです。でも、とにかくうれしかったです。

-リョーマというキャラクターについては、どんなイメージを持っていましたか。

 テニスが強くてクールで生意気。でも、人に愛される生意気さで、憎めない人だと思います。それから優しい一面も持っています。僕とリョーマは真逆の性格なんですよ。僕は、どちらかというと遠山金太郎に近い性格かも(笑)。なので、稽古を通して、リョーマに近づけていければいいなと思います。

-どんなところが真逆なんですか。

 リョーマは、あまり感情を表に出しませんが、僕はすぐに感情が表に出てしまうんです(苦笑)。それから、落ち着きもない方なので、どんなときも、冷静でクールで落ち着いているリョーマを見習いたいです。

-(取材当時)稽古中だと思いますが、どんなところを意識して演じていますか。

 立ち方だったり、他の方の試合を見ているときの動きや反応の仕方だったりという、せりふを話していないときのしぐさに気をつけています。それから、僕の普段の低い声で話したら、リョーマっぽくないと思ったので、意識して高めの声で、ゆっくりと話すようにしています。

-漫画やアニメといった原作がある作品は演じやすいですか。

 役作りはしやすいなと思います。僕、アニメを全話見たんですよ。アニメを見たことで、漫画を読んだだけでは分からない感情やニュアンス、話し方のヒントが見つかった気がします。

-今、稽古で苦労してることは?

 リョーマは左利きなので、左手でラケットを持つのですが、それが慣れなくて大変です。僕は右利きで、左腕の筋肉は今まで全く使わなかったので、まず肩が回らなかったんですよ(苦笑)。まだまだ全然至らないですが、最近、やっと少し使えるようになってきて…。本番までにはもっと良くなるよう頑張ります。

-では、逆に稽古をしていて楽しいことは?

 みんなで切磋琢磨(せっさたくま)して、作り上げているので、全てが楽しいです。これまでのシリーズと違って、今作は中学選抜メンバーの物語なのですが、中学選抜メンバー同士、(役柄上の)学校が違っても団結して練習に臨んでいます。

-テニミュの稽古場ならではだと感じたことはありましたか。

 まず、原作の漫画が全巻置いてあることです。それを読んで、役作りに生かしています。それから、自分たちで役を研究して、自分たちで“正解”を見付けていくという現場は僕は初めて体験したので新鮮でした。

-自分で役を研究するというのは楽しい作業ですか。

 楽しいです。アニメを改めて見直したり、漫画を読み直したりしながら、リョーマならどうするんだろうと一つ一つ考えています。そうやって考えている時間が多いからこそ、リョーマが自然と自分の中に入ってくる気がします。

-ところで、今牧さんは幼い頃からダンスを習い、4年ぐらいで初めて舞台に出演したそうですね。もともと、ミュージカルや舞台に興味があったんですか。

 はい。人前に立つのが大好きで、地元のダンスチームに入って、スーパーのステージや地元の区民館だったりと、いろいろなところで踊っていました。そのダンスチームのメンバーでミュージカルにも出ている子がいて、それで僕もやってみたいと思って始めました。

 
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