【インタビュー】『本気のしるし ≪劇場版≫』深田晃司監督 カンヌ絶賛の最新作に込めた思い「原作漫画は、女性を描く自分の原点」

2020年10月12日 / 14:12

-そうなんですね。

 もう一つ、自分の映画では、瞬間的に出てくる暴力性の表現として、“ビンタ”を多用しています。『歓待』(10)、『淵に立つ』、『海を駆ける』(18)、『よこがお』…。いずれもビンタするシーンがあります。最初は特に意識していなかったのですが、さすがに最近は自分でも入れなければいけないような気になっていて、今回も…と思ったら、もともと原作にビンタのシーンがあって。これは、『本気のしるし』の影響だったのかな…と(笑)。他にも、今回の脚本を書きながら、「『本気のしるし』の影響を受けているかも…」と思ったことが何度もありました。

-そんな思い入れのある作品が、カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション2020に選出された感想は?

 ありがたいお話ですが、驚きました。漫画が原作ですし、どちらかというと娯楽性の強い作品なので、「カンヌ向きではないかな…?」と思っていましたから。だから、本当にびっくりしたし、懐が深いな…と。

-選出コメントでも「最高傑作」、「カンヌは今、現代の偉大なKリスト(是枝裕和、黒沢清、河瀨直美)の歩みに続く、濱口(竜介)から深田のような気鋭の監督の台頭を目撃している」と絶賛されていますね。

 そう言っていただけるのは、うれしいですね。日本映画はずっと「4K(黒沢清、北野武、是枝裕和、河瀬直美)」と言われてきましたから。若い世代としては、そういう評価を少しでも更新していけたら…と思っています。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)星里もちる・小学館/メ~テレ

 

 

  • 1
  • 2
 

関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

ふじきみつ彦「トキとヘブンが本当に生きていた気がします」連続テレビ小説「ばけばけ」脚本家が物語を振り返る【インタビュー】

ドラマ2026年3月16日

-トキとヘブンの平凡な日常の中にある幸せを丁寧に描いている点も、「ばけばけ」の大きな魅力です。劇中、その象徴のように使われているのが、しじみ汁を飲んだトキが満足そうに口にする「あー…」という言葉と、スキップです。この二つはどこから思いついた … 続きを読む

『罪人たち』と『ワン・バトル・アフター・アナザー』が対決!『国宝』ほか日本にゆかりの作品も。授賞式直前!第98回アカデミー賞を占う【コラム】

映画2026年3月13日

 3月15日(日本時間3月16日(月))、映画の祭典・第98回アカデミー賞授賞式が、アメリカのロサンゼルスで開催される。今年は人種差別に対する風刺を交えたアクションホラー『罪人たち』が16ノミネートで、最多記録を更新したことが大きな話題とな … 続きを読む

LiLiCo「ドキュメンタリーは本気なんです」「TBSドキュメンタリー映画祭2026」【インタビュー】

映画2026年3月12日

-おススメの作品は。  ボーイズグループを追った『THE LAST PIECE -Glow of Stars-』と、脚本家の野島伸司さんに密着した『野島伸司 いぬ派だけど ねこを飼う」、『ブルーインパルスの空へ』は比較的分かりやすいと思いま … 続きを読む

【インタビュー】「ルーツを大切にする心を知って」、台湾原住民シンガーのサウヤーリさんが大阪でパフォーマンス

音楽2026年3月11日

▼海の民特有の発声 ――台湾と地理的にも近い沖縄に共通点を感じることはありますか。  音楽面では、海の民特有の「明るく響き渡る発声」に非常に親近感を覚えますね。今回の来日は、集落の人々の祝福を背負っているような不思議な感覚があります。私の故 … 続きを読む

「再会」“万季子”井上真央の過酷な過去が判明 「ラストの4人の友情と愛情に泣いた」「真犯人はあの人」

ドラマ2026年3月11日

 竹内涼真が主演するドラマ「再会~Silent Truth~」(テレビ朝日系)の第8話が、10日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます)  本作は、横関大氏の推理小説『再会』をドラマ化。刑事・飛奈淳一(竹内)が、殺人事件の容疑者となった … 続きを読む

page top