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【2.5次元リポート】佐藤流司のロック魂あふれるパフォーマンス「御茶ノ水ロック」

 2017年に日本テレビで放送され、その後、舞台版が上演された「男水!」に続く、TVドラマ&舞台連動企画の第2弾となる「御茶ノ水ロック」。2018年1月から放送されたドラマが好評のうちにラストを迎え、舞台が3月30日から開幕した。すれ違い、互いの道を違えてしまった兄弟を中心に、バンドに懸ける熱い男たちを描いた本作。ドラマに出演した主要キャストが舞台にも出演し、当て振りなしの生演奏ライブを行うことでも大きな話題となっている。3月29日に、佐藤流司、染谷俊之、崎山つばさ、荒木宏文が囲み取材に応じ、本作への思い、そして楽屋での裏話を語った。

圧倒的なライブパフォーマンスを見せた片山始(佐藤流司)

-本作は、TVとドラマの連動企画ですが、舞台ならではの見どころを教えてください。

佐藤 ドラマでは一般的に生活している人間よりも高いレベルで生活しているんです、DYDARABOTCH(始が結成したバンド。以下、ダイダラボッチ)っていうのは。すごく元気で活発な感じなんですが、舞台ではそれを表現として、ドラマよりも、もっと受け取ってもらえるために、さらに元気なダイダラボッチになっています。舞台では…ん〜(考え込む)…気が狂って…。

染谷 (すかさず)使えるやつをお願いします。

佐藤 あははは。

荒木 選んだ末に、それが出たか。

佐藤 あははは。すごく…(再び考え込む)

荒木 テンションの高い?

佐藤 テンションの高い!

荒木 元気な、明るい?

佐藤 元気な、明るい、そういった舞台になっていると思います(笑)。

染谷 今回の舞台は生演奏が一番の見どころかなと思っています。ライブを見にきたような感覚も味わえますし、また、役者が演奏しているので、お芝居の部分も楽しんでいただけると思うので、きっと、お芝居を好きな方もそうでない方も、音楽が好きな方もそうでない方も、両方好きな方もひっくるめて、楽しんでいただけるエンターテインメントだと思っています。

崎山 ドラマから始まったので、役作りはドラマの時点でそれぞれ少しはあって。でも、舞台に向けてより表現を大きくするという時点で、より役に対しての作り方とか、細かく作っていった上で、関係性だったり…舞台ならではの僕たちを見ていただければなと思います。

荒木 ドラマで始と亮の兄弟の確執がテーマになって、そこをクリアしてすごくピースフルなエンドを迎えたので、やっぱり舞台になるってなったときに、また一波起こさなきゃいけない。そうなったときに僕が参加するという。まさに悪者。ちゃんと波を立てることによって、絆だったり、音楽の大切さだったり、新しい道を見付ける。そのための火薬といいますか、みんなの背中を押せるような悪役をしっかり演じたいなと思います。

(左から)逢坂翔平(崎山つばさ)、藤瀬和也(谷水力)

-劇中では、兄弟やバンドの絆が見どころになっていますが、稽古中に絆を感じた出来事はありましたか。

佐藤 ドラマのときもですが、今日とか楽屋にいるときも、必ず、じゃんけんで負けたやつが弁当の残りを片付けたり、自販機に行って全員分のジュースを買ってきたりするというイベントがあるんですけど。

染谷 毎日?

佐藤 はい(笑)

荒木 そんなことをしていたの?(笑)

佐藤 で、それを今日、ダイダラボッチと(亮がプロデュースするバンド)DIC合同でやって、(DICの)ARASHI役の砂原(健佑)くんが負けたんですけど。結構、年上じゃないですか。でも、早く買ってこい、走れっていう罵声、罵詈雑言を。これ、やっぱりロックな絆…(笑)

崎山 まあ、和気あいあいとね。フラットな関係だね。

佐藤 はい。

崎山 僕はバンドを組んだことがなかったので、感覚が分からなかったんですけど、今回、舞台の稽古中だったり、稽古の前にDICのメンバーで集まって、スタジオに入って、バンド練習をしたりもしたんで、そこですごく、バンドってこういう感じなのかとか。音を合わせるだけなんですけど、すごく楽しいし、会話しているような感覚というか。味わったことのない仲間意識みたいなのがすごく芽生えて、それは僕の中では絆かなって思って。それがより舞台に関係性として出せたらいいなと思います。亮さん(染谷)もバンドの練習のときに毎回、「頑張ってね」って応援してくれて。直接は来てくれなかったんですけど。

染谷 行きたかったけど、行ったら邪魔かなって思って(笑)

崎山 いやいや(笑)。でも、毎回、「サポートできることがあったら言ってね」って言葉をかけていただいたり、すごく(亮が経営するレコード会社)クリムゾンスカイのチームとして、いい関係性ができたのかなって思ってます。

(左から)新田誠(松本岳)、片山始(佐藤流司)、奈良悠介(前山剛久)

-舞台を楽しみにしているファンの方へのメッセージを。

佐藤 ライブも当然ですが、芝居も皆さんの脳内に畳み掛けるような、かなりめまぐるしく、速いテンポで進んでいく舞台になっております。はっきり言って、演じている側としても、毎回毎回、同じことができないぐらい、素早く進んでいく舞台で、毎回毎回、演者も新鮮な気持ちで演じることができる舞台です。見に来る皆さまもその1回の舞台とライブの生のパフォーマンスの感じ、そういったものを感じていただけたらいいなと思います。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 「御茶ノ水ロック-THE LIVE STAGE-」は3月30日~4月15日、都内・AiiA 2.5 Theater Tokyoで上演。

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