【映画コラム】夏にちなんだ異色ホラーを紹介『オブセッション 災愛』『ユースフル・ゴースト』『だぁれかさんとアソぼ?』

2026年7月24日 / 08:00

(C)2026「だぁれかさんとアソぼ?」製作委員会

 そして日本からは、Jホラーの名手・清水崇監督による『だぁれかさんとアソぼ?』(24日公開)。若者たちの間で広まる禁断の遊び。それは学校の誰もいない階段の13段目でカセットテープに日付と名前を吹き込むと、その人物は指定された日に死ぬという都市伝説を軸に物語が展開する。

 軽い気持ちで遊びに手を出した高校生たちは次々と怪異に襲われ、心理カウンセラーの平瀬小春(鎮西寿々歌)も妹の菜々美(星乃あんな)を救うため恐怖の連鎖へ巻き込まれていく。

 『ミンナのウタ』(23)『あのコはだぁれ?』(24)と同じ世界観を共有しながら、単独でも楽しめる構成になっている。学校の怪談や都市伝説という親しみやすい題材を用いながら、人は「絶対にやってはいけない」と言われるほど試したくなるという人間の性(さが)を巧みに突き、そこから恐怖を増幅させていく手腕はさすが清水監督である。若手キャストを容赦なく追い詰める演出も、Jホラーの第一人者ならではの冴えを見せる。 

 いずれの作品にも共通するのは、「怖い」という感情だけに頼っていないこと。恋愛が狂気へと変わる『オブセッション 災愛』、掃除機に宿った幽霊という奇想から社会問題までを描く『ユースフル・ゴースト』、都市伝説を通して人間の好奇心と愚かさを映し出す『だぁれかさんとアソぼ?』。恐怖の形はさまざまであり、それぞれが異なる切り口から現代人の心理や社会を映し出しているとも言えるだろう。
(田中雄二)

 

page top