【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

2025年11月29日 / 08:05

『栄光のバックホーム』(11月28日公開)

(C)2025「栄光のバックホーム」製作委員会

 2013年のプロ野球ドラフト会議で指名され、鹿児島実業から阪神タイガースに入団した18歳の横田慎太郎(松谷鷹也)。誰もがその将来に大きな期待を寄せていたが、突然横田の目にボールが二重に見えるという異変が生じる。

 下った診断は脳腫瘍という過酷なものだった。それでも横田は、家族や恩師、チームメートら多くの人々に支えられながら、病に立ち向かっていく。19年の引退試合では、センターからの“奇跡のバックホーム”を披露し、スタジアムを感動の渦に包んだ。だが横田のドラマはそこで終わりではなかった。

 将来を嘱望されながらも、21歳で脳腫瘍を発症して引退を余儀なくされた元プロ野球選手・横田慎太郎の軌跡を、実話を基に映画化。横田の母親役で鈴木京香、父親で元プロ野球選手の真之役で高橋克典が共演。

 本作を見ると、野球ファンの間では一種の伝説になっている“奇跡のバックホーム”は序章であり、その後の横田の壮絶な生き方こそが彼の生きた証しだったことがよく分かる。

 また、横田を演じた松谷の父・竜二郎は元プロ野球の投手であり、松谷自身も大学まで野球をしていたという。それだけに試合や練習のシーンのリアルさが目を引く。スポーツを描く場合は、これも大事な要素の一つだ。

 実際に横田と関わった、当時のタイガースの関係者を演じたのは、加藤雅也(金本知憲監督)、古田新太(掛布雅之コーチ)、大森南朋(平田勝男二軍監督)、前田拳太郎(北條史也選手)、萩原聖人(田中秀太スカウト)、上地雄輔(土屋明洋トレーナー)、柄本明(球団OBの川藤幸三)。彼らと当人を見比べてみるのも一興だ。

(田中雄二)

 

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