【映画コラム】新旧のSFアクション映画の魅力が詰まった『ジュラシック・ワールド/復活の大地』

2025年8月10日 / 12:00

 また、ジョン・ウィリアムズ作曲のオリジナルテーマ曲の流用は、先に公開された『スーパーマン』同様絶大な効果があり、恐怖とユーモアの同居は、スピルバーグが得意とする演出法だ。

 また、「以前から、フィルムで撮影し、自然な映画的な質感を表現したかった」というエドワーズ監督の念願がかない、今回は35ミリフィルムでの撮影が実現。『ジョーズ』『未知との遭遇』(77)『E.T.』(82)など、70年代から80年代のスピルバーグ作品の映像を形作っていたフィルムならではの粒子感や鮮やかな色彩がよみがえった。

 とはいえ、肉体派アクション女優の面目躍如たるヨハンソンの活躍ぶりや、陸海空にまたがるアクションはトム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(25)、海の恐竜のシーンは日本の『ゴジラ-1.0』(23)といった“今の映画”の影響も感じさせ、決してノスタルジーで終わっていないところも目を引く。つまりこの映画には新旧のSFアクション映画の魅力が詰まっているのだ。

(田中雄二)

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