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『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』(9月22日公開)
ミュータントガメのミケランジェロ(声:シャモン・ブラウン・Jr=戸谷菊之介)、ドナテロ(マイカ・アビー=榊原優希)、ラファエロ(ブレイディ・ヌーン=土屋神葉)、レオナルド(ニコラス・カントゥ=宮世琉弥)は、不思議な液体「ミュータンジェン」に触れたおかげでミュータントになった。
彼らは、養父でネズミのスプリンター(ジャッキー・チェン=堀内賢雄)と共に地下で身をひそめるように過ごしているが、中身は人間のティーンエージャーと何も変わらず、高校に通いたいと思っていた。
そんな彼らの前に、ハエのスーパーフライ(アイス・キューブ=佐藤二朗)を筆頭としたミュータント軍団が現れる。同じミュータントの仲間がいたことを喜ぶタートルズだったが、スーパーフライ軍団は人間社会を乗っ取るという野望を抱いていた。
ニューヨークを舞台にカメの忍者4人組の活躍を描き、さまざまなメディアで根強い人気を誇る「ミュータント・タートルズ」を、アメコミタッチの新たなビジュアルで映画化した長編アニメーション。コメディアンで俳優のセス・ローゲンがプロデューサーを務めた。監督はジェフ・ロウ。
独特のセンスによるビジュアル、手書き風のアニメーション、そしてスケボー、ラップなどのストリートカルチャーなど、いろいろと盛り込んでいるが、物語の骨子は、タートルズと記者を目指す高校生のエイプリル(アヨ・エデビリ=齊藤京子)によるコンプレックスの克服を描いた青春物語。同世代の観客は共感し、すでに青春を終えた観客は懐かしさを覚えるかもしれない。
ただ、必要以上に醜く描かれたように見えるキャラクターデザイン、グロテスクな描写、ティーン独特のハイテンションなノリ(タートルズの4人が一斉にしゃべり出した時のうるささ)などを、面白いと感じるかどうかで評価が分かれるところはあると思う。
(田中雄二)