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さらに、ドキュメンタリーは、インドネシアの『アクト・オブ・キリング』(12)と『ルック・オブ・サイレンス』(14)、ポルトガルの『コロッサル・ユース』(06)など、といった具合だ。
また、GoProやスマートフォン、VRといった新世代のカメラを使って撮られた『リヴァイアサン』(12)、『タンジェリン』(15)、モーション・キャプチャーなどの最先端デジタル技術を駆使した『猿の惑星:聖戦記』(17)、『アイリッシュマン』(19)なども登場する。
この2時間40分余りの、壮大な“映画の旅”についてカズンズ監督は、日本の観客へのメッセージとして、「映画館は村の心臓である」というフランスのことわざを引用しながら、「どんな映画も子どものように見てください。子どものように目を見開き、心を開いて、先入観を持たずに見てほしいのです。この映画もそんなふうに見てもらえたらうれしい」と呼び掛ける。
いわば、この映画は究極の映画マニアによる超個性的なガイドブック。紹介された映画をこれから見る人は知的好奇心を、かつて見た人は探求心をかき立てられるに違いない。
(田中雄二)