【映画コラム】通勤電車を舞台にした至極のサスペンス『トレイン・ミッション』と、リュック・ベッソンの自由奔放なイメージが爆発した『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』

2018年3月31日 / 18:24

(C)2017 VALERIAN S.A.S. – TF1 FILMS PRODUCTION

 続いては『スター・ウォーズ』シリーズにも影響を与えたとされるフレンチコミックをリュック・ベッソンが映画化した『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』。

 デビッド・ボウイの「スペース・オディティ」に乗せて、宇宙ステーションの歴史を見せるオープニング。ドッキングによる異人種間の握手が、やがて対エイリアンにまで拡大していくさまが面白い。

 以降は、28世紀を舞台に、銀河をパトロールするヴァレリアン(デイン・デハーン)と相棒のローレリーヌ(カーラ・デルヴィーニュ)が巨大な陰謀に立ち向かうSFアクションの要素と、2人の恋模様を交錯させながら描いていく。

 『アバター』(09)の影響も感じられるが、独特の色遣いや、雑多なエイリアンの造型はハリウッド製のスペースオペラとはひと味違う趣があり、ベッソンの自由奔放なイメージが爆発する。ただし、好みは分かれるところがあるだろう。また、いろいろと詰め込み過ぎて時間が長くなった点も、サービス精神と取るか否かで評価が分かれるのではないかと思われる。

 懐かしのルトガー・ハウアーやイーサン・ホークのゲスト出演も見どころ。何よりクールな捜査官を演じたデルヴィーニュがキュートだ。(田中雄二)

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