【映画コラム】 『さよならドビュッシー』で“ピアノを弾く美少女”に変身した橋本愛

2013年2月2日 / 19:26

 

(C)2013さよならドビュッシー製作委員会

 現在公開中の『さよならドビュッシー』は、第8回「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞した中山七里の同名小説を映画化したもの。火事で全身に重いやけどを負いながら“ある約束”を胸に、懸命にピアニストを目指す少女が、不可解な事件に巻き込まれていく様子を、ドビュッシーやショパンの名曲に乗せて描いた音楽ミステリーだ。

 俳優としても活躍する利重剛監督が約10年ぶりにメガホンを取った本作では、現役ピアニストの清塚信也がピアノ教師を演じ、事件の真相を突き止める探偵の役割も果たしている。

 本作でヒロインの遥を演じたのは、新進の女優として期待を集める17歳の橋本愛。松たか子主演の『告白』(10)の生徒役で注目され、昨年は『HOME 愛しの座敷わらし』、『桐島、部活やめるってよ』、『ツナグ』と話題作に連続出演。特にホラー映画『貞子3D』の“美し過ぎる貞子”は見る者に衝撃を与えた。

 その彼女が、本作では一転して、アイドル映画の王道である“ピアノを弾く美少女”を演じてみせた。清塚との火花散るピアノ合戦、クライマックスの演奏シーンはもちろん、クールなたたずまいと印象的なまなざしを生かして、秘密を抱えた孤独な少女を見事に体現している。

 この橋本に加えて、昨年大ブレークした武井咲、剛力彩芽、あるいは『ヒミズ』の二階堂ふみ、『愛と誠』の大野いと、『グッモーエビアン!』の三吉彩花、そして、橋本も出演する2013年前期のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でヒロインを演じる能年玲奈と、このところ1990年以降に生まれた若手女優の活躍が目立つ。彼女たちの存在が、最近の映画に若さや活気を与えているのだ。さて、この中から一歩抜きん出て大スターへの道を歩むのは一体誰なのか…そんなふうに考えながら映画を見るのもまた楽しい。(田中雄二)


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