【映画コラム】　大ヒット『テッド』の秘密は“相棒”にあり

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　命が宿ったテディベアのテッドが大活躍する映画『テッド』が、予想以上の大ヒットを記録している。

　外見はかわいらしいが、内面は超下品でエッチな中年おやじという、テッドの持つギャップの面白さが大ヒットを支える最たる理由だが、テッドと持ち主のジョン（マーク・ウォールバーグ）との友情を描いている点でも観客を楽しませている。

　昔から映画には、主人公が二人一組で行動するバディムービー（相棒映画）と呼ばれるジャンルがある。過去には『イージー・ライダー』『明日に向って撃て！』『ミッドナイト・ラン』『リーサル・ウェポン』など数多くの名作があり、最近では『最強のふたり』があった。『テッド』も間違いなくこのジャンルの一員だ。

　そして、もちろん『テッド』ほど下品ではないが、テッドとジョンをほうふつとさせるのが『トイ・ストーリー』シリーズにおけるカウボーイ人形のウッディと持ち主のアンディとの関係。彼らは『トイ・ストーリー３』でひとまず“ソーロング”したが、それができなかったのがテッドとジョンなのかもしれない。そう思うとちょっと切ない気もするが…。

　動くカウボーイ人形やテディベアは、ＣＧの発達で生まれたもの。だが、傑作の条件は、シンプルで良くできたストーリーという基本は何も変わらない。その意味では『テッド』も、変化球として見せながら、実は基本に忠実に作られているのだ。（田中雄二）

＊本作は、Ｒ―15指定で、15歳未満（中学生以下）の入場は禁止なのでご注意を。