「どうする家康」第37回「さらば三河家臣団」北条攻めが浮き彫りにした時代の変化に適応する難しさ【大河ドラマコラム】

2023年10月6日 / 12:50

「世は、変わったのでござる」

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「どうする家康」。10月1日放送の第37回「さらば三河家臣団」で、主人公・徳川家康(松本潤)が語った言葉だ。

「どうする家康」(C)NHK

 この回、北条攻めを決断した豊臣秀吉(ムロツヨシ)は、家康と共に北条の本拠地・小田原城を包囲する。これに籠城で抵抗した北条氏政(駿河太郎)、氏直(西山潤)親子だったが、圧倒的戦力差に加え、一夜城などの知略に屈して、ついに降伏。そして家康は小田原城内で氏政と対面する。

「なぜもっと早く降伏しなかったのか」と問う家康に、氏政は悔しさをにじませながら、「われらはただ、関東の隅で侵さず、侵されず、われらの民と、豊かに穏やかに暮らしていたかっただけ。なぜそれが許されんのかのう!」と答える。それに対して家康が語ったのが、冒頭の言葉だ。時代の変化についていけなかったことが、氏政の敗因だったと家康は受け止めたようにも聞こえる。

 だがこの回、時代の変化に直面したのは、氏政だけではない。家康自身も秀吉から“国替え”を命じられ、これまで治めていた三河や駿河を離れ、北条領だった関東へ移ることとなった。秀吉のこの指示に抵抗を試み、北条攻めの後まで家臣に伝えられずにいるなど、家康自身も時代の変化に直面し、葛藤していた。付け加えるなら、秀吉の国替えの命令に抵抗して改易(所領の没収)させられた織田信雄(浜野謙太)もいる。一連の出来事からは、時代の変化に適応していくことの難しさを痛感させられた。

「どうする家康」(C)NHK

 
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