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脚本の三谷幸喜は、“当て書き”をすることで知られるが、そうした大泉のキャラクターも見込んだ上での起用だったに違いない。まさに、“大泉だからこそ演じられる頼朝”といってもいいだろう。
そんな頼朝とは対照的に、誠実かつ実直な人柄が全く揺るがないのが義時だ。だが、いずれ鎌倉幕府の頂点に立つことを考えると、「誠実さ」や「実直さ」だけでは通用しない局面が必ず出てくるはずだ。
それを乗り越えるためには、頼朝のようなしたたかさが必要になってくる。もしかしたら、義時はそういう“政治家的な振る舞い”を、頼朝の傍らで過ごす中から身に着けていくのかもしれない。
表と裏を使い分ける政治家的な頼朝と、どこまでも誠実な義時。この2人がこれからどんな物語を紡いでいくのか。また、従来とは大きくイメージが異なる頼朝・義経兄弟の行く末も気になるところだ。見どころ満載の物語から、目が離せない。
(井上健一)