【大河ドラマコラム】「鎌倉殿の13人」第2回「佐殿の腹」義時と頼朝、「奇妙なバディ」の鮮やかな船出

2022年1月19日 / 17:55

 ただ、一つ気になるのは、「頼朝がなぜ義時に本心を打ち明ける気になったのか?」という点だ。自分に過剰な期待を抱かず、慎重に接してくる義時を信用した、というあたりが妥当にも思えるが、頼朝は今一つ本心が読めず、そう簡単に人を信用しないように思えるだけに、もしかしたら、他に狙いがあるのでは、という気がしないでもない。そう思わせるあたりも、本作における頼朝というキャラクターの魅力といえる。

 前回のコラムでも引用した通り、本作の制作統括を務める清水拓哉氏は、インタビューで「(義時が)頼朝から受けた影響は計り知れないものがあったはずです」「(物語前半は)義理の兄弟でもある頼朝と義時の『奇妙なバディ』をじっくり描こうという考えです」と語っている。

 ここがそのスタート地点と言っていいだろう。まだまだ腹の内が読めない頼朝に振り回される義時が、どんな影響を受けて変化し、成長していくのか。演じる小栗&大泉がこれから生み出す役者同士のケミストリーにも期待高まる「奇妙なバディ」の鮮やかな船出だった。

(井上健一)

源頼朝役の大泉洋(左)と北条義時役の小栗旬 (C)NHK

 

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