【大河ドラマコラム】「青天を衝け」第十二回「栄一の旅立ち」栄一が“渋沢栄一”としての第一歩を踏み出した「血洗島・青春編」のクライマックス

2021年5月6日 / 15:39

 そしてもう一つが、冒頭に記したクライマックスで、千代が栄一に語った次の言葉だ。「おまえ様、道は決して、真っすぐではありません。(中略)曲がったり、時には間違えて引き返したって、よいではありませんか」

 これらを併せて考えると、「人として間違ったことはせず、もし進む道を間違えた場合は、素直に認めて行いを正し、恥ずかしくてもそれを受け入れて生き抜く」といったあたりが、これからの栄一の生き方の指針となるに違いない。そしてこれは、今を生きる私たちにも通じるものだ。

 “生き抜く人”渋沢栄一のドラマは、次回から始まる「一橋家臣編」で本格的に幕を開ける。ここで手に入れた生き方の指針を胸に、栄一が幕末から明治維新という大波をいかに乗り越えていくのか。栄一同様、自分自身もこの指針を心に留めつつ、その行方を見守っていきたいと思う。(井上健一)

渋沢栄一役の吉沢亮(左)と渋沢喜作役の高良健吾

 

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