【芸能コラム】俳優・竹内涼真が持つ多面的な魅力とは 「真っすぐな演技」「泣きの演技」そして「旺盛なサービス精神」

2020年4月10日 / 12:00

 2013年にファッション誌『mina』が行った「minaカレ」オーディションでグランプリを獲得。同年、フジテレビ系のドラマ「車家の人々」で俳優デビューを果たし、以後、快進撃を続ける竹内涼真。

 あるときは正義感あふれるヒーローとして戦い、またあるときは女心を知り尽くしたかのような大人の表情でファンをドキッとさせる。そうかと思えば、少年のようなつぶらな瞳で母性本能をくすぐり、後輩にはお兄さんキャラ全開の優しいまなざしを向ける。ここでは、そんな竹内の持つ多面的な魅力を探ってみたい。

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

 1月期の連続ドラマの中で、全話平均視聴13.4パーセント(ビデオリサーチ調べ)でトップに輝いたミステリードラマ「テセウスの船」(TBS系)。

 同作は、平成元年に警察官の父親・佐野文吾(鈴木亮平)が起こした連続殺人事件の真相を探るため、竹内演じる主人公・田村心が奮闘する姿を描いた。事件の直前にタイムスリップした心が、父のえん罪を証明するため、毎回必死に奮闘する姿が視聴者の心をつかみ、3月22日放送の最終回では、自己最高の19.6パーセントという高視聴率を記録した。

 劇中で特に光ったのが、竹内の“真っすぐな演技”だ。良かれと思ってやったことが結果的に裏目に出てしまうような、ややドジな一面もあったが、家族の幸せを守るため、常に全力投球で闘う彼の姿が、毎回涙を誘った。

 ドラマ終了後は、「おバカで泣き虫で、家族思いな心さんが大好きでした」「家族のために闘った心さんを忘れません」といった声が続出。ここまで田村心が視聴者の心をつかんだのは、竹内のストレートな演技に、共感した者が多かったからだろう。竹内も、クランクアップ時に「1話から田村心という人物の人生を本気で演じてきましたが、悔いのないようにやり切れたと自信を持って言えます」と手応えを語っていた。

 竹内は、14年にテレビ朝日系のドラマ「仮面ライダードライブ」の主役に抜てきされ、一躍有名になった。以後、「下町ロケット」(TBS系)、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」、「陸王」(TBS系)などのドラマや、『青空エール』(16)、『帝一の國』(17)、『センセイ君主』(18)といった映画にも出演、役者としての幅を広げている。

 17年放送の「過保護のカホコ」(日本テレビ系)では、超過保護環境で育てられたカホコ(高畑充希)の恋人・麦野初(むぎの・はじめ)役を熱演。ぶっきらぼうに見えて、実は寂しがり屋という、“ツンデレぶり”に魅了された女性ファンも多かった。

 その中でも、竹内の“泣きの演技”には、目を見張るものがあった。幼い頃に母親(高橋ひとみ)に捨てられた初は、第8話でカホコに連れられ、母親と再会。だが、母親が新たな家庭で幸せに暮らしていることを知った初は、その場から黙って立ち去る。

 ところが、帰りのバス停でカホコから渡されたおにぎり(母親が家出をするときに置いていったトラウマの食べ物)を食べた途端、カホコにしがみついて号泣する。まるで赤ん坊のように泣く姿に、視聴者からは「ギャップがすごい」「超かわいい!」と大興奮の声が上がった。

 また竹内は、自身のインスタグラムに、上目遣いの“あざとかわいい”写真を連続投稿して、話題となったこともある。さらに出演したバラエティー番組では、やや奇抜なエピソードを次々に披露し、ネット上では「しゃべり過ぎ」などと揶揄(やゆ)されたこともあった。

 とはいえ、今の竹内の俳優としての実力を見れば、“あざとさ”も、役者として演じている顔の一部なのかもしれないし、むしろ人を楽しませるための“武器”として活用しているに過ぎないのでは…?とさえ思えてくる。

 過去のイベントに登場した際に、筆者が受けた竹内のイメージは、「サービス精神旺盛」「先輩をきちんと立てる。後輩の面倒見がいい」「素直」といったもの。トーク中には、さりげなく“記事の見出し”になりそうなワードを繰り出してくれるので、記者受けもいいのだ。

 浜辺美波と共演した映画『センセイ君主』のPRイベントでは、「失敗すると落ち込む。ポジティブになれる秘訣(ひけつ)は?」という高校生の悩みに対して、サッカーでプロを目指していたという竹内が、自身の経験を交えて、こうアドバイスした。

 「僕も高校3年間、サッカーでミスすることを恐れてばかりいる自分が本当に嫌だった。でも失敗したときに悩むのではなく『次はどうしようか』と、気持ちを早く切り替える“くせ”をつけるようにした。そうすると、立ち直りやすい体質になった。気持ちで体質さえ変えていくのが俺のやり方。今では日本一ポジティブな自信がある」と。

 
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