【コラム】「真田丸」北条家の三者に聞く 高嶋政伸、細田善彦、山西惇

2016年6月5日 / 11:14

板部岡江雪斎役の山西惇

板部岡江雪斎役の山西惇

 山西演じる江雪斎は、今川家の太原雪斎、毛利家の安国寺恵瓊らと並ぶ、戦国時代の外交僧。彼らの活動は、跡継ぎの教育係、他家との外交交渉役、戦(いくさ)の軍師など多岐にわたった。

 山西は「(江雪斎は)氏政の先代(氏康)から仕えていたと思われますので、老舗の大番頭ですね。氏政を育て上げたという自負も持っていると思います」とその立場や心情を分析する。

 だが、先の裁定の成果を喜ぶ江雪斎とは裏腹に氏政は不満を漏らすなど、徐々に二人の意見が食い違うようになる。

 「(江雪斎は)氏政のことは大好きなのだと思います。ただ秀吉に対する考えはどうも自分とは違うと感じ始めている。どうすればお家を守りながら戦国の世の流れについて行けるのかをずっと画策していたのでは」と山西は推理する。

 さらに「お父さんべったりだった息子の氏直に対しても、そろそろお父さんに歯向かわないと北条家は終わるという気持ちがあって、最後は氏直になんとかしてほしいという気持ちになっていったと思います。(江雪斎は)最後の最後まで努力した人なのではないでしょうか」と語った。

 ところで、江雪斎は北条家が滅んだ後も、秀吉に気に入られて御伽(おとぎ)衆となり、関ヶ原の戦いでは徳川方につき、子孫は徳川家の旗本として存続したという。

 「やっぱり侍ではないからかな、死ぬことはないと思ったんでしょう。自分が生かせるところがあればこれからも誠心誠意やろうと考えたんだと思います」と山西。

 今後の「真田丸」は、北条家の三者三様の思いが入り乱れるさまに注目だ。三者それぞれのインタビューは随時掲載予定。(田中雄二)

 

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