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今回注目するのは「ごめんね青春!」(TBS系)。
脚本・宮藤官九郎、プロデュース・磯山晶。「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」ほか数々のマニアックな作品を生み出してきた名コンビが4年ぶりに帰ってくる!ということで、クドカンファンのみならず、ディープなドラマファンなら、いろんな意味で注目せずにいられないはず。
本作は、仏教系の男子校とカトリック系の女子校、経営難に苦しむ二つの高校の合併をめぐる学園青春エンターテインメント。学園物というと、成長株のアイドル、若手俳優が生徒役として多数出演するのが王道パターンですが、ツイッター上の前評判でも若手出演者への応援ツイートが飛び交っており、若い層から熱い注目を集めている様子がうかがわれました。
ディープなドラマファン向けか、若いアイドルファン向けか。異なる側面を併せ持つこのドラマ、視聴者の反応はいかに?ということで、第1回放送のツイートを分析してみました。
宮藤官九郎および主要出演者の言及割合ランキング
(集計対象:第1回放送中および放送終了後15分間のツイート)
1位 宮藤官九郎 9.3%
2位 錦戸亮(関ジャニ∞) 4.8%
3位 満島ひかり 4.1%
4位 えなりかずき 3.3%
5位 川栄李奈(AKB48) 1.6%
6位 重岡大毅(ジャニーズWEST) 1.5%
7位 波瑠 0.9%
7位 永山絢斗 0.9%
7位 斉藤由貴 0.9%
10位 森下愛子 0.8%
■「さすがクドカン」ファンからの根強い支持
ふたを開けてみると、クドカン最新作として注目する声が圧倒的多数でした。
ドラマ開始早々、
「さすがクドカン。おもしろい!」
「クドカンならではのテンポの良さ」
と、クドカン作品のリピーターからのものと思われるコメントが多数。
否定的な評価はほぼ皆無。特に「テンポ」について言及しているツイートが全体の1.9%と非常に多いのが特徴的です。テンポの良さがクドカン作品の重要な構成要素として認知されているということなのでしょう。
一方で、「あまちゃん」では抑え気味だったクドカン節が全開の展開に、
「『あまちゃん』からクドカンファンになった人は、きっと脱落してるだろうな」
と心配する声もちらほら。
興味深かったのは、錦戸亮演じる「原平助」の名前に関する考察ツイート。
クドカンの名作「木更津キャッツアイ」の主人公は「公平」。そしてそのお父さんは「公助」。このふたりの名前から一文字ずつ取って「平助」となったのではないか、というのです。
調べてみると、「平助」という名前は実際、映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』において、公助の息子(公平の弟)「田淵平助」として登場しています。
漢字がまったく同じですし、このふたりの平助の母親を演じているのが、どちらも森下愛子であるという点も共通しています。ひょっとすると今後、「田淵平助」と「原平助」が同一人物であることをにおわせる展開があるのかもしれません。
このように、分かる人には分かるファンサービスを仕掛けるあたりも、「さすがクドカン」というところでしょう。