エンターテインメント・ウェブマガジン
芳根京子と渡辺翔太がダブル主演を務める、Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.16「ウェンディ&ピーターパン」が、6月12日から上演される。本作は、世界的名作「ピーターパン」をウェンディの視点から大胆に翻案した作品で、日本では2021年に初演。今回5年ぶりの再演となる。舞台初共演となる芳根と渡辺に公演への思いを聞いた。

芳根京子(左)と渡辺翔太
芳根 生きることの尊さや信じる力が感じられるパワーのある脚本で、ちょっと大人なピーターパンという印象がありました。ウェンディもおしとやかなイメージが強かったのですが、この舞台では勇ましい女性として描かれています。きっと今だからこそ、楽しんでいただける「ウェンディ&ピーターパン」になるのではないかと思います。再演ではありますが、前回の公演とはまた違う印象を受け取っていただけるように頑張りたいです。
渡辺 少し目まいがしました(笑)。こんなにも分厚い脚本は、読んだことがなかったですから。逃げているように聞こえてしまうかもしれませんが、僕は舞台の現場はいつも、お芝居をメーンにされている方々の中にお邪魔しているという感覚があります。今回も、解読するまでに時間がかかると思いますが、チャレンジ精神を強く持って臨んでいます。この物語は、元となった「ピーターパン」とギャップがあればあるほど面白いのかなと思っていますが……。
芳根 多分、まだこの物語がよく分かっていないんだと思います(笑)。
渡辺 そう、正直に言うと、理解できている自信はまだないです…(笑)。ちょっと代わりに話してもらっていいですか?
芳根 「脚本を読んですごく難しいなと思いましたが、これから(演出のジョナサン・)マンビィさんを含めて、カンパニーの皆さんと一緒にこの物語をしっかりと理解して、皆さまに楽しんでいただける時間を作りたいと思っています」。
渡辺 まさにこれが言いたかった!
芳根 あはは(笑)。シンプルな作品ではないからこそ、読めば読むほど解釈も変わっていくんですよ。まるで「スルメ」です。かめばかむほど味が出る。まだ(取材当時は)本格的な稽古が始まっていないので、今こうして私たちが話していることもこれから変わっていくのかもしれません。それも含めて楽しみな題材だなと思います。
渡辺 本当に芳根さんと一緒で心強いです。
芳根 みっちり1日6時間くらい行いました。マンビィさんともお会いして、難しいこともたくさんありましたが、自分の固まっていた脳みそをほぐしてもらった感覚のある、すごく楽しいワークショップになりました。電源が落ちていた脳みその電源を入れて、新しい回路を開いてもらったような感覚です。2日間のワークショップでドキドキがワクワクに変わったように思います。
渡辺 本当に、おっしゃる通りですね。普段使わない頭の体操をしているようなワークショップでした。僕、本当に頭が痛くなってしまって(笑)。長めに休憩をいただいたくらい、カロリーが高かったです。僕もかなりの刺激をもらって、ワクワクしています。
芳根 実は、ドラマで少しだけご一緒したことがあるんですよ。ただ、そのときはお互いに人見知りということもあって、全くお話はしていなくて。お芝居でも目が合うこともないような関わりだったので共演というほどではなかったんです。それで、昨年、バラエティー番組にお邪魔させてもらったときにはすでにこの作品が決まっていたので、「よろしくお願いします」という会話をさせていただいたのが最初にお話したきっかけかなと思います。最初の印象といっても、バラエティーの現場だったので、俳優の渡辺さんとは印象が違うと思いますが、ご一緒できるのが心強いなと感じました。
渡辺 (芳根は)明るいし、ハキハキしている方ですよね。こうした取材の場でも、明るくてニコニコしている。だからこそ、実は家に帰ったら根暗なのかな? と考えてしまいます(笑)。
芳根 あはは(笑)。
渡辺 まだまだ解明できていない部分がたくさんありますね。お互いに人見知りだということは共通認識としてあると思いますが、(芳根は)頑張る人見知りですか?
芳根 そうですね。明るい人見知りですね。
渡辺 そうでしょう? きっと静寂が嫌だから話しているタイプで、気まずくならないように明るくして頑張っていらっしゃるのかなと思います。そう考えると、きっとまだ肩に力が入っていると思うので、稽古を通してカンパニー全員で仲良くなれたらと思います。ただ、僕も人見知りなので、頑張ってくれる人がいると、僕はそれに乗ればいいかなと思ってしまうところもあって(笑)。僕はプライドが高い方ではないので、甘えられるところは甘えて、引っ張れるところは引っ張っていって、持ちつ持たれつの関係が築けたらいいなと思います。
芳根 「ピーターパン」は、たくさんの方が知っている物語なので、間口は広いのかなと思います。ですが、今回は、ウェンディの視点で描かれる、また新たな物語です。マンビィさんも「ウェンディの夢のお話だ」とおっしゃっていたので、ウェンディが冒険に出かけて楽しんでいる姿を皆さまも一緒に楽しんでいただけたらと思います。そして、ウェンディが夢から覚めたように、皆さまも劇場から出たときに現実に戻るというような、体験型の舞台として楽しんでいただけたらうれしいです。五感で楽しんでいただける作品になると思うので、全身で楽しんで、素晴らしい時間を過ごせたらと思っています。
渡辺 先日、ディズニーに、「ピーターパン」のアトラクションに乗りに行ったんです。ピーターパンは、こうだったなと思い出したり、懐かしい気持ちになりながらアトラクションを体験したのですが、いざ、現場に入ったら「みんなが持っているパブリックイメージと乖離(かいり)すればするほど満足度が高い。これはウェンディの視点なのだから、明るいだけの物語ではない」という話を聞いて。僕たちがイメージする「ピーターパン」とはまた違ったものになるんだなと(苦笑)。切なさもある、奥深い物語になるのだろうと思います。それをどれほど僕たちが伝えられるかが、この作品のポイントになるのかなと今は感じています。
芳根 生のお芝居なので、その空気感を届けることが第一なのかなと思います。セットも素晴らしいですし、一歩劇場に入ってもらえれば、その空気に自然と包まれるのではないかと考えています。
渡辺 ギャップだと思います。明るく振る舞っていても、せりふではパンチのあることを言っている。
芳根 ワークショップでも、真逆の感情が共存しているお芝居の稽古をしましたね。楽しければ楽しいほど悲しいという、正反対の感情が常にワンセットになっているのが人間の感情なのだ、と。だからこそ、人間味あふれるキャラクターの物語になるのだという印象をワークショップからも受けました。
渡辺 今の言葉は僕が言ったことにしてもらってもいいですか(笑)?
芳根 「僕が言ったことにして」という言葉まで書いてくださいね(笑)。
渡辺 (芳根は)大騒ぎでしたよ。高所恐怖症ですよね? だから、リアクションが大きくて。でも、そのままでいいのかもしれないですよね。ウェンディも初めて飛んだという設定ですから。
渡辺 それはもちろん。
芳根 プレ稽古の初日に、みんなでストレッチをして体を動かす時間があったんですが、そのときのストレッチで(渡辺は)一番苦しい顔をしていたんですよ。それで、「あれ?」と思っていたのですが、フライングではくるくるきれいに回っていらして、「やっぱりSnow Manさんだ!」って思いました。稽古着でフライングしていたのですが、すでにピーターパンになっていました。それなのに、なんで、ストレッチは苦しそうなんですか?
渡辺 それはうちの事務所では、みんなでストレッチをやることがないからかな。それぞれ軽く自由に体を動かして、すぐにリハーサルに入る。「みんなでストレッチをしましょう」というのはないんですよ。だから、僕も環境の違いに慣れていない部分があります。
芳根 きっとやっていけば慣れるだろうと頑張っています。ジムのトレーナーさんに「フライングをするから、そのために必要な筋肉を鍛えたい」と伝えていたのですが、「それは筋肉じゃなくてメンタルの問題だと思う」と言われているので、本番は楽しんで飛べたらいいなと思います。
渡辺 すごく真面目な答えになってしまいますが、このお仕事をさせていただくことが僕にとっての冒険です。僕は歌って踊ってバラエティーに出ることの方が多いので、生の舞台に出演することは刺激的で、かなりの冒険です。きっと本番期間中は、毎日、緊張し続けていると思います。
芳根 私はプライベートのことですが、一人旅に出たいです。ホテルに一人で泊まるのがあまり得意ではないんですよ。お仕事のときは仕方ないと思って泊まりますが、プライベートでは一人で泊まったことはないんです。でも、来年は30歳になるので、これを機にまずは国内からトライしていきたいと思います。
(取材・文/嶋田真己)
Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.16「ウェンディ&ピーターパン」は、6月12日(金)~7月5日(日)に都内・THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)、7月13日(月)~20日(月・祝)に大阪・フェニーチェ堺 大ホールで上演。
映画2026年5月22日
その男が右手で触れた瞬間、相手は消え、死が訪れる。世にも奇妙な凶器なき犯行と謎に包まれた動機とは…。俳優だけでなく、脚本家、映画監督としても活躍する佐藤二朗が、初めて漫画原作を手がけたサイコバイオレンスを、自らの主演・脚本、城定秀夫監督で … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年5月22日
宮野真守と神山智洋(WEST.)が出演する、2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」が、6月12日から上演される。本作は、脚本に劇作家の福原 … 続きを読む
ドラマ2026年5月21日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月17日に放送された第19回「過去か … 続きを読む
映画2026年5月21日
推理力に覚えのある解答者たちが、国民的な人気を誇る推理ショーを舞台に、頭脳戦を繰り広げるさまを描いた深水黎一郎の同名小説を、堤幸彦監督が映画化した『ミステリー・アリーナ』が、5月22日から全国公開される。本作でクレージーな天才司会者・樺山 … 続きを読む
映画2026年5月21日
長崎で巻き起こる「ドロドロのダメ男巡り」と「ヒリつく姉妹の絆」を描いた青春ロードムービー『いろは』が5月22日から全国公開される。妹の伊呂波を演じた川島鈴遥と姉の花蓮を演じた森田想に話を聞いた。 -最初に脚本を読んだ時の印象から伺います。 … 続きを読む