【映画コラム】角川映画50th ANNIVERSARY「角川映画祭」

2026年5月18日 / 12:00

 角川映画50th ANNIVERSARY「角川映画祭」が、5月1日から9月17日まで都内・角川シネマ有楽町で開催中だ(全国順次開催)。

 初作となった『犬神家の一族』(76)から50年。その間、角川映画は「読んでから見るか、見てから読むか」のキャッチコピーの下、昭和~平成~令和にわたって、映画と書籍を中心にメディアミックスを続け、時代の熱気をスクリーンに刻み続けてきた。今回上映される作品の中から、角川シネマコレクションの特長の一つである、4Kデジタル修復版<初披露>作品を4本紹介したい。

『セーラー服と機関銃』(81)(C)KADOKAWA 1981

 『セーラー服と機関銃』は、赤川次郎原作、薬師丸ひろ子主演のアイドル映画でありながら、平凡な女子高生がある日突然やくざの組長になり、子分を従えながら敵対するやくざと闘うという奇抜なストーリー、相米慎二監督独特の長回し撮影(カットせずに長い間カメラを回し続ける技法)などの意外性が話題を呼んだ。薬師丸が機関銃を撃った後で吐く「カ・イ・カ・ン」というせりふが流行し、薬師丸のデビュー曲となった同名主題歌(来生えつこ作詞、来生たかお作曲)も大ヒットを記録した。

 アイドル映画製作の王道とは、スタッフや共演者の誰もが、若いヒロインを輝かせるための努力を惜しまないことだが、本作も、まさに薬師丸ひろ子のために作られた映画である。渡瀬恒彦も大門正明も北村和夫も佐藤允も、そして、あの三國連太郎までもが、彼女の引き立て役に過ぎないからだ。とは言え、本来なら照れてしまいそうな役を、彼らがきちんと演じてくれたことが、この映画を一層ユニークなものにしている。

『時をかける少女』(83)(C)KADOKAWA 1983

 『時をかける少女』。放課後の理科実験室でラベンダーの香りをかいだことをきっかけに、芳山和子はタイムトラベラーに…。未来人と彼女の淡い初恋と学園生活を描いたファンタスティックで切ないラブロマンス。監督は大林宣彦、原作は筒井康隆のジュブナイル(少年少女向け)SF。

 原田知世の映画デビュー作ということもあり、大林監督はアイドル映画の手法を用いながら、自身の故郷・尾道に舞台を移し、ノスタルジックな背景を構築。この映画で尾道が果たした役割が、日本のフィルムコミッションの先駆けとされる。その一方で、当時の最新特撮を駆使して、タイムトラベルという非現実を見事に映画の中に取り込んでみせた。

 公開から40年以上がたった今となっては、映される風景、若々しい出演者たち、「土曜日の実験室」という印象的なせりふ、「桃栗三年柿八年」の歌(大林監督作曲の「愛のためいき」)、原田が歌った松任谷由実作詞・作曲の主題歌など、何から何までが懐かしく思える。

 
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