【インタビュー】ブロードウェーミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」丸山隆平演じるヘドウィグの恋人役さとうほなみ「やりたい放題やっていきたい」

2022年1月29日 / 08:00

 丸山隆平が主演するブロードウェーミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」が2月3日から上演される。本作は、ジョン・キャメロン・ミッチェル作・主演で1998年に初演され、ロングランを記録した人気作。2001年には映画化され、サンダンス映画祭で数々の賞を受賞した。また、14年には、リバイバル作品としてブロードウェーで上演され、トニー賞で4部門を受賞した。日本では04年に初演されて以降、たびたび再演されており、今回は丸山を主演に迎えての2年ぶりの上演となる。丸山が演じるヘドウィグの恋人で、バンドメンバーとしてヘドウィグを陰ながら支えるイツハク役のさとうほなみに、出演への思いや意気込みを聞いた。

イツハク役のさとうほなみ 

-本作への出演が決まったときの心境を教えてください。

 実はバンドメンバーとしてお声を掛けていただいているんだと思っていたんです(笑)。ですが、お話の内容的にも女がドラムをたたくというのはおかしいな、どういうことなんだろうと思っていたら、「イツハクで」というお話だったので、それもまた、めちゃくちゃ面白そうと思いました。映画を見させていただいたら、(作・演出の)ジョンの生きざまが見える本当に素晴らしい作品で、その生みの親であるジョンが今回は演出も手掛けてくださるということだったので、すごく楽しみでした。

-本作は、“ブロードウェーミュージカル”と銘打っていますが、多くの人が抱く「ミュージカル」のイメージよりも「ライブステージ」に近い感覚で見られる作品かと思います。「ゲスの極み乙女。」のドラマー、ほな・いこかとしても活躍されているさとうさんにとって、入りやすい作品だったのではないかと思いますが。

 そうなんです。ミュージカルだという感覚は今も全然なくて、楽曲的にも、ライブだと思っています。稽古で歌わせていただいているときも、ロックをやっているなと。本番では生バンドで歌えるので、余計に「ロックバンドのツアーで(全国を)回る」という感覚があり、作品とリンクできていると思います。ただ、丸山さんからも「ミュージカル界にお邪魔しているという気持ちはお忘れなく」と言われているので、そこは忘れないようにしようと思っています(笑)。

-では、イツハクという役柄については、どのように捉えていますか。

 劇中では「前回のツアーで出会った」という言葉だけで語られていますが、私は、(イツハクにとって)ヘドウィグとの出会いは衝撃的だったんじゃないかと思います。イツハクがヘドウィグに抱いた思いは、恋心でもあり、尊敬でもあり、付いていきたいと強く思う気持ちであり…。ただただ純粋にヘドウィグを好きなんだと考えていました。ですが、稽古を重ねているうちに、その思いだけではまかり通らないというのも感じています。本当は一緒にいたいけどいたくない。離れたいけど離れたくないという複雑な感情が「好き」の周りに張り巡らされているように思えてきて、彼女の人間くささが見えてきました。

-稽古場の雰囲気はいかがですか。

 伸び伸びとやりたいことを相談し合ってお稽古できていると思います。丸山さんはすごく自由度の高い方なので、私が何をやってもすぐ反応して返してくれて、すごくやりやすいです。「お互いにやりたい放題やっていきましょう!」と楽しみながらお稽古しています。ジョンとは、まだ(取材当時は)あいさつ程度しか言葉を交わせていないのですが、その短いごあいさつの中で「作品に縛られずに好きにやってほしい」とおっしゃっていただいたので、すごく励みになっています。

-ところで、ミュージシャンとしてさとうさんのことを知っている人も多いと思いますが、女優として活動したいという思いはいつ頃から持っていたのですか。

 実は、小学生ぐらいのときに、テレビドラマを見ていて、あるキャラクターに感情移入して、「これをやりたい!」と強く思ったことがきっかけで、少しだけ(芸能)活動をさせていただいていたんです。その後、本格的にやりたいと思い、いろいろと探していたんですが、気が付いたらバンドをやっていまして(笑)。なので、もともと、お芝居をやりたい気持ちはあったんです。バンドを続けていく中で、音楽だけでなく、自分がやりたいことをもっとやっていこうと思ったタイミングで、たまたま機会を頂いて、お芝居を再開した感じです。

 
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