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「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの新作で、女性監督アンナ・ボーデンが共同監督を務めた『キャプテン・マーベル』が公開された。本作は、主人公の正体を探るミステリーの要素もある。
記憶を失いながらも、クリー帝国のエリートソルジャーとして活躍していたヴァース(ブリー・ラーソン)は敵との戦いの中、誤って地球に不時着する。彼女は断片的な記憶のフラッシュバックに悩まされながらも、やがて自らの過去に隠された真実を知ることになる。
「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズの『ワンダーウーマン』(17)のガル・ガドット同様、女性が強くなった今の時代を象徴するかのような新たなヒーローが登場した。特に後半は、超パワフルなヴァースのすさまじい戦いぶりを見せられ、ほとんど口あんぐり状態になる。昔の『スーパーガール』(84)なとど比べるとまさに隔世の感がある。
また、アベンジャーズの誕生前にさかのぼり、1990年代が舞台となるだけに、フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)やコールソン(クラーク・グレッグ)が“若くなって”登場するのが笑える。フューリーがアイパッチになった理由などが明かされるのも楽しい。名物製作者だったスタン・リーの“最後の雄姿”も拝める。
ところで、『ルーム』(15)でアカデミー賞の主演女優賞を受賞後、『キングコング:髑髏島の巨神』(17)に出演したラーソンに話を聞いた際、彼女は「今後はいろいろなジャンルの映画に挑戦したい。大作も低予算の映画もどちらもやりたい。私は、バランスが取れていないのが好きなので」と出演の理由を語っていた。
また、アクションの厳しい訓練を顧みて「私の体って結構すごいんだと思った」とも語っていたが、今回はそれ以上の厳しさだったことは想像に難くない。あのとき彼女は『ゴジラVSキングコング』への出演をにおわせていたが、結局こちらを選んだのだ。そして、アベンジャーズ誕生の鍵を握る新ヒーローを登場させた本作が、4月26日公開の『アベンジャーズ/エンドゲーム』につながるのである。(田中雄二)