【インタビュー】世界で活躍する女優TAOが『クロスロード』で邦画デビュー 「ニューヨークは寝に帰るだけなんです(笑)」

2015年12月11日 / 16:39

 青年海外協力隊に参加した若者たちが、ボランティアを通じて、本音でぶつかり合いながら成長していく姿を描いた公開中の映画『クロスロード』。黒木啓司(EXILE)が主演を務める本作で、女優TAOが邦画デビューを果たした。14歳のときに日本でモデルデビュー。その後、活動拠点をパリやニューヨークに移し、さまざまな雑誌やショーで人気ファッションモデルとして活躍しながら、ハリウッド大作映画にも出演した彼女が、念願だったという母国の映画に初出演する。

 

ファッションモデルとして活躍するTAO

ファッションモデルとして活躍するTAO

―映画『クロスロード』に出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか。

 ずっと邦画に出たいと思っていたので、すごくうれしかったです。また、“ボランティア”を題材とした内容もやってみたかったので、迷うことなく出演を決めました。

―“青年海外協力隊”が題材となっている映画ですが、この作品を通じて伝えたいことは?

 “青年海外協力隊”って硬いイメージがあったり、身近には感じられない活動だと思うんです。作中のセリフにも「誰かがやるんだったら自分じゃなくてもいい」ってあるように、ボランティアに対して思うことって人それぞれだと思うんです。でもこの作品は「ボランティアっていうものはこうだ!」っていう正解を説いている映画ではないんですね。沢田(黒木)、羽村(渡辺大)、志穂(TAO)という3人の若者を通して、「自分にとってボランティアとは…?」とクエスチョンを持っていただける作品になっていたらいいなって思います。

―演じる上で共感できた部分はありましたか。

  東日本大震災のときにニューヨークでチャリティー活動を行ったんですが、仲間とぶつかった経験がありました。目指す目標とかゴールは同じなんですが、そこまでのアプローチの角度が違うというか…。まさに映画の沢田と羽村のようにぶつかったり、志穂のように自分の信念を貫きたいものの、くじけそうになったことがあったので、すごく感情移入しやすい役でした。

―モデルとして世界で活躍し、2013年にハリウッド映画『ウルヴァリン:SAMURAI』で女優デビューされましたが、映像の魅力はどんな部分にあると思いますか。

  私自身、実はお芝居がしたいって思っていたわけではなく、幸運にもたまたまオーディションのお話があって、その作品がハリウッド映画だったんです。それをきっかけにすごくお芝居が好きになっていきました。今まではモデルから女優になる方々を見ていて、「何でそっちにいっちゃうんだろう…」って不思議に思っていたんですが、お芝居をする楽しさを実感してからは、もっともっといろんな作品に出たいと思うようになりました。

―演じるということは、モデルのお仕事とどこか通ずるものがありますか。

 モデルとして楽しいなって思っていた部分は、お洋服を着て、ヘアメークをして、そのときのテーマの女性像を演じてお写真を撮ることだったんで、そうした演じる面では通ずるものがあるのかなって思いますね。でも、お芝居は体や声のトーンなど全身を使って表現するので、すごく楽しいです。

―役作りの面でやりがいや楽しさを感じる時は?

 『クロスロード』の志穂は自分に近いところがあったので、役に入りやすかったのですが、全

然違うキャラクターももっとやっていきたいですね。『ハンニバル3』では殺人鬼というか人を殺めてしまう役どころで、来年3月公開の映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でも悪役なんですけど、自分とは全く違うし想像もできないシチュエーションばかりなので、

tao_6537

フィクションの面白さを実感できたし、どこまで自分ができるか挑戦するというところですごくやりがい

を感じました。

―現在はニューヨークにお住まいですが、生活スタイルは?

 ニューヨークに居住しているといっても、本当に寝に帰るだけなんです(笑)。あとは、英語のレッスンを受けたりピアノをやったり、自分の勉学をする時間になっています。

―日本での活動を含め、女優としての今後のビジョンは?

 海外を拠点に活動してるからこそ、実は日本語を話す役作りにプレッシャーを感じることもありました。母国の言葉だからこそちゃんとしなきゃいけないって…。今回の映画で感じたことなん

ですが、日本語って深いなって思いました。大河ドラマとか時代劇も現代の言葉じゃないので難しいと思いますが、今後は機会があればやってみたいです。でもこんな背の高い日本人は当時いなかったでしょうけど…(笑)。ただ日本に限らず、作品に出させていただく機会があるなら、

国や規模なんて考えずどこへでも飛んでいきたいと思っています。

 

【TAO/プロフィル】
 14歳でモデルデビュー。2006年よりパリコレクションに参加した後、ミラノやロンドン、ニューヨークなどでファッ ションモデルとして活躍。13年ハリウッド映画『ウルヴァリン:SAMURAI』で女優デビュー。14年ドラマ「血の轍」(WOWOW)で日本でのドラマ 出演を果たす。15年ラグビーW杯決勝戦の表彰式で日本人初のアンバサダーを務めた。ニューヨーク在住。

 

(C)2015「クロスロード」製作委員会

(C)2015「クロスロード」製作委員会

映画『クロスロード』公開中(配給:フレッシュハーツ)

 青年海外協力隊に参加した若者たちが、ボランティア活動を通して成長していく姿を描く。カメラマンの助手をしていた沢田樹(黒木啓司)は、目標のない日々に嫌気がさし、自分を変えようと青年海外協力隊に参加。しかし、ボランティア活動に懐疑心を抱く沢田は、同じ隊員で正義感の強い羽村(渡辺大)と衝突してしまう。ある日、沢田と羽村、そしてそんな2人の仲を取り持つ助産師隊員の志穂(TAO)はフィリピンへボランティアとして派遣される。

 

 取材&テキスト hana
撮影:金田 誠


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「豊臣兄弟!」第20回「本物の平蜘蛛」不思議な印象を残した松永久秀の最期【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月28日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月24日に放送された第20回「本物の … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(14)梅は飛び

舞台・ミュージカル2026年5月28日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼太宰府天満宮の「梅ヶ枝餅」  前 … 続きを読む

芳根京子&渡辺翔太、ウェンディの視点から描く「ウェンディ&ピーターパン」で初の舞台共演 お互いに「心強い」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月27日

 芳根京子と渡辺翔太がダブル主演を務める、Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.16「ウェンディ&ピーターパン」が、6月12日から上演される。本作は、世界的名作「ピーターパ … 続きを読む

佐々木蔵之介「この映画を見た後で自分の気持ちがさまようようなところがあるので、誰かと一緒に見てほしいと思います」『名無し』【インタビュー】

映画2026年5月22日

 その男が右手で触れた瞬間、相手は消え、死が訪れる。世にも奇妙な凶器なき犯行と謎に包まれた動機とは…。俳優だけでなく、脚本家、映画監督としても活躍する佐藤二朗が、初めて漫画原作を手がけたサイコバイオレンスを、自らの主演・脚本、城定秀夫監督で … 続きを読む

宮野真守&神山智洋、初共演の二人が作り上げる、劇団☆新感線のドタバタ音楽活劇ミステリー 「多幸感にあふれた作品をお届けしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月22日

 宮野真守と神山智洋(WEST.)が出演する、2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」が、6月12日から上演される。本作は、脚本に劇作家の福原 … 続きを読む

page top