高月彩良&有村架純、『思い出のマーニー』完成報告  高畑勲&宮崎駿両監督が米林宏昌監督を「ジブリのエース」と絶賛

2014年7月2日 / 19:39

(左から)米林宏昌監督、寺島進、根岸季衣、松嶋菜々子、高月彩良、有村架純、黒木瞳、森山良子、プリシラ・アーン、西村義明プロデューサー

 映画『思い出のマーニー』完成披露会見が2日、東京都内で行われ、キャストからジブリ作品初のダブルヒロインを務める高月彩良、有村架純をはじめ松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、森山良子、黒木瞳、主題歌を歌ったプリシラ・アーン、西村義明プロデューサー、米林宏昌監督が出席した。

 本作は2010年公開の『借りぐらしのアリエッティ』から4年ぶりに米林監督が手掛けるスタジオジブリ最新作で、イギリスの同名児童文学が原作。美しく広がる北海道の湿地を舞台に、心を閉ざした12歳の少女・杏奈(高月)と謎めいた金髪の少女・マーニー(有村)の2人による交流を描いたファンタジー。

 300人が参加したオーディションで選ばれた高月は「小さいころから大好きだったジブリさんの声優ができると聞き、率直にとてもうれしかったです。声優初挑戦で、スタッフの皆さん、たくさんの方の愛に支えられてここに立っています。この作品を一生の誇りに思っています」とあいさつした。有村も「オーディション後にマネジャーからジブリ作品が決まったと報告を受けても信じられず、とり終わって取材を受けていくうちにどんどん実感していったという感じです。私の宝物となる作品になりました。参加できてよかったです」と感慨もひとしおといった様子だった。

 松嶋は「私が励まされ、また一歩踏み出せた作品でもあるジブリ作品はいつ見ても色あせず何度見てもいい作品。母親役ということで、私も母親なので、娘を思う気持ちは素直にリアルタイムで演じることができました」と収録を振り返った。寺島は「いろいろな作品に関わっていますけど、初めて“娘孝行”ができたのではないかとうれしく思います」とはにかみ、根岸も「最近すっかり遊んでくれなくなった長男と次男もこの後(の舞台あいさつ)から来るので、現金だなと思いました」と笑わせた。

 森山は当初演じる役柄が“老婆”と聞いて「老婆という言葉が若干胸に刺さった」と振り返り、「“昇進”させていただけないかということで、“老婦人”にしていただきました。たおやかな素晴らしい人格の役で、いろいろな感銘を受けながら演じさせていただきました」と語った。ジブリ作品初となる全編英語歌詞の主題歌「Fine On The Outside」を歌うプリシラは「ジブリ作品は10年前に『ハウルの動く城』を初めて見て、その時はまさか将来自分がジブリの主題歌を歌うなんて想像もつきませんでした。夢以上の夢がかなったようでとても光栄です」と喜びを語った。

 完成した映画を見た感想について黒木は「杏奈が『私は、私が嫌い』と言う大変衝撃的なせりふから始まります。私も子どものころは理由は何であれ、自分のことが嫌いだったなと思いました。子どもには大きな愛、愛してあげること、寄り添ってあげることが大事だなとあらためて感じる作品でした」と母親の視点からしみじみ語った。

 本作は高畑勲・宮崎駿両監督が関わらない初の長編映画としても話題を集めており、映画を見た2人からは西村プロデューサーに感想が寄せられたという。宮崎監督からは「まろ(米林監督)は本当によく頑張った。この映画を見て、まろという人間が“1+1=5”の男だということが分かった」、高畑監督からは「作画も美術もそれ以降の工程についてもよく頑張った。さすがジブリと言える作品を作った。じいが去った後の“押しも押されもせぬジブリのエース”と言われることと思うし、それを認めることは僕もやぶさかではない」とそれぞれ絶賛の声が届いたと明かした。初めて感想を聞いた米林監督は「動揺してしまって」と手を震わせ喜びを表現していた。

 映画は7月19日から全国ロードショー。

 


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