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「第32回日本映画批評家大賞」授賞式が16日、東京都内で行われ、受賞者の中井貴一、板谷由夏、吉岡里帆ほかが出席した。
中井は、立川志の輔の創作落語「伊能忠敬物語-大河への道-」を原作とした『大河への道』で主演男優賞を受賞。現代パートと江戸時代パートが交差する同作で、俳優陣は両時代に生きる“一人二役”を演じた。
企画と主演を務めた中井は「時代が変わっても、人ってあまり変わらないんだなということを表現したかった。現代劇ではコメディーを、時代劇パートではきちんとした時代劇を演じることを心掛けてやったつもりです」と明かした。
「コメディーで心掛けていること」を聞かれると、「役者の立場でいうとコメディーの方が数段難しい。泣いていただく点というのは、割と皆さん共通しているのですが、笑っていただく点というのは、人それぞれバラバラ。芝居は間が大事。悲劇の場合は2秒違っても3秒違っても、泣いていただけるのですが、喜劇の場合は0.1秒違うと笑っていただけない。それぐらいの緊張感を持ってコメディーは臨まなければならないと常に思っています」と話した。
板谷は『夜明けまでバス停で』で主演女優賞を受賞。劇中では、コロナ禍で仕事を失い、ファミレスや漫画喫茶に通う金にも事欠き、ついには人けのないバス停で、一夜を過ごすことになる女性を演じた。
同作の高橋伴明監督について、「私が26歳のときに『光の雨』という連合赤軍を描いた作品で呼んでいただいた。それから20年たって、この作品に私なんかを、主演という形で呼んでくださった。私にとっては親鳥のような方」と紹介。
「その監督が、今の日本の不条理を描いたこの作品に、俳優部として参加できたことは、本当に感謝でしかない。伴明さんに『板谷、やるぞ』と言われたら行くしかないです」と笑った。
吉岡は、太平洋戦争末期の沖縄戦を描いた『島守の塔』で助演女優賞を受賞。トロフィーを手に「平和な国である日本をこれからも、新しい世代としても守っていかないといけないと思いましたし、そういう気持ちが込められた大切な作品です」とスピーチした。
撮影前の準備がとても大切な時間になったという吉岡は「自分が無知であることを痛感する毎日でした。書籍を読んだり、実際に沖縄に出向いてガマ(避難場所となった自然洞窟)に行ったりもしました。語り部の方がいらっしゃるので、共演者の方や監督と一緒に一つ一つ学ぶ作業から始まりました」と語った。
この他、窪田正孝が『ある男』の演技で助演男優賞を受賞。作品賞は『メタモルフォーゼの縁側』(狩山俊輔監督)が受賞した。
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