綾野剛“救いのない役”を熱演 「役柄に侵食されてもいいと思った」

2017年6月3日 / 14:07

 映画『武曲 MUKOKU』の公開初日舞台あいさつが3日、東京都内で行われ、出演者の綾野剛、村上虹郎、熊切和嘉監督が登壇した。

 本作は、鎌倉を舞台に、剣を捨てた男(綾野)と剣に出会った少年(村上)が繰り広げる宿命の対決を描く。

 熊切組に参加するのは『夏の終り』以来4年ぶりとなった綾野は「前回以降、熊切さんが、会うたびに『必ずまた一緒にやろうね』と言ってくれていたけど、その言葉を信じながら今日までやってきて本当に良かった」としみじみ語った。

 今回は主役として出演したが「主役というより、鮮度の高い状態で熊切監督に自分の身を委ねたい。『武曲』の一員として(現場に)入ったという意識の方が強かった」と率直な思いを口にした。

 現場では熊切監督が「カット」と声を掛ける代わりに「いいっすね~」とつぶやくため、結局、オーケーなのか、そうではないのかと、周囲が判断に迷ったというエピソードもあり、綾野は改めて「監督の『いいっすね~』を聞くと本当にホッとしました」と笑顔を見せた。

 今回は演じる前に、2カ月の猛特訓を受け、見事に鍛え上げた肉体を作り出し、本格的な剣の技も身に着けた綾野。

  進むべき道を失った役柄については「ちょっと救いのない役。自分の役に対してかわいそうだと思ったのはこれが初めて。でも、ここまで“生きているな”ということを実感しながら役を生きたのは初めてに近い。(役柄が)体内に入ってくる感じだったけど“それに侵食されていいや”という思いでやっていた」と振り返った。

 さらに本作の内容に絡めて“何かと闘ったエピソード”を尋ねられた綾野は「真面目な話になりますが、結局、自分と向き合う作業をやめてしまうと自分は役者をやっていけないんだと思う」とコメント。

 「ある種、肉体的にも精神的にも自分と向き合ってない作品はお客さまに届かない。今の自分の立ち位置やパブリックイメージも含めて、今、この瞬間も自分がちゃんと闘えているのかきちんと確認して、体感していかなければならない。そうしたものを、より良い形で皆さんに解き放っていかなければいけない」と“綾野節”で語った。

(左から)熊切和嘉監督、綾野剛、村上虹郎

(左から)熊切和嘉監督、綾野剛、村上虹郎


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