かわのろ(可愛いって言わないと呪う!)6/14水嬉るい、6/29絢愛かれん卒業公演直前! これまでのアイドル人生とファンへの想い込めたメッセージ公開

2025年6月10日 / 19:30

 「あなたが今日も強く可愛く生きるための心のおまもりになる」をコンセプトに、多種多様の“可愛い”と熱い想いを爆発させながら活動しているアイドルグループ・可愛いって言わないと呪う!(通称:かわのろ)。天性のアイドルと思わせる笑顔でしあわせを振り撒いていた水嬉るいが6月14日(土)に、情熱的な歌声とリーダーシップで「絶対的アイドル」としてグループを牽引してきた絢愛かれんが6月29日(日)に、それぞれ卒業公演を開催することになった。

 このふたりの旅立ちを直前にして、彼女たちがどんな想いでこれまでアイドルとして、かわのろのメンバーとして活動し続け、このタイミングで卒業することになったのか。そして、今、これまで支えてくれたファンに対してどんな気持ちを抱いているのか。それぞれの話を伺い、ふたりのこれまでのアイドル人生とファンへの想いを込めたメッセージとして、ここにひとつのテキストを掲載する。前半は水嬉るい、後半は絢愛かれんについて記しているので、ぜひ併せてご覧いただきたい。

<水嬉るい(水色)足の大ケガからO-EASTワンマンまでの想い>

 水嬉るいは、かわのろにおいて太陽のような存在であった。ステージに立てば、その場に集いしすべての人々に満面の笑みを贈りながら、誰もをハッピーにしてしまう天性のアイドル。そんな彼女の明るさを翳らせる事故が2024年11月3日、秋葉原の某ライブハウスで発生した。それまでいつも通り笑顔で歌い踊っていた彼女がパフォーマンス中、足を故障。その後、病院で「前十字靭帯断裂、内側半月板損傷、バケツ柄断裂」と診断され、手術の為に長い入院生活を強いられることになった。

 「「あ、終わった」って感じでした。パフォーマンス中の横移動のときに気付いたら膝がありえない方向に向いちゃって、それで自らステージ袖に捌けて。裏でもうギャンギャン泣いて……立とうとしても無理だったんですよ。膝が本来と違うところにかっぽり入っちゃったんで、歩けなかったんです。でも、特典会には出たかったので、すぐ病院に行ったほうがいいと思ったんですけど、あんまり心配させない為にもファンの人たちに会っておきたかったんですよね。だから、特典会のあとに救急病院へ。そこでとりあえず固定してもらって。その日は深夜4時ぐらいまで病院にいて……次の日もライブだったから出たんですよ。松葉杖を持って(笑)。

 でも、とにかく動けないし、痛いし。で、家に帰って横になっても寝返り打てないし。ロッキングという症状だったんですけど、ロッキングってそんなに酷くならないパターンが多くて、それまでもたまになっていたんですけど、自分でカポって治せていたんですよ。もう慣れすぎちゃっていて。肩が外れても自分で元に戻せる人みたいな感じ。でも、今回は戻せなくて。過去に一度だけ戻せなかったときは、病院で膝に麻酔注射を打って、先生が思いっきり戻してくれたんですよね。で、今回もそれをやりにいって一度は戻ったんですけど、家に帰ったらまたロッキングしちゃって。「あ、これはもう歩けないや」ってなって。それぐらい重症だったんですよね。

 運動をするしない以前に日常生活もままならない状態だったから、それで手術したんですけど、今も不安でいっぱいです。いつ走れるようになるのか分からないし、普通に歩くのも怖いし……「大丈夫かな?」という不安は常にありますね。」

 手術の為にしばらく入院することになったわけだが、そこに至るまでステージや特典会に出ようと思ったのは何故なのか。診断前にも膝がおかしいことになっていたのは明らかだったわけだし、痛みもあったのにどうして。そこには何よりも大切なファンへの想いがあったという。

 「自分で言うのもなんですけど、責任感がめっちゃあるタイプなのと、ファンの人たちがすごく大好きで……心配させたくないのもあったし、その日にしか来れないファンの人もいたから、とにかく会って話したい気持ちがいちばん強かったんです。なので、すでに決まっていたイベントには出る。痛くても出る。そう自分で決めちゃったんです。中学生の頃も、陸上の試合で故障しているのに「走りたい!」と直前まで言っていて、それは結局出られなかったんですけど、自分で決めたことはやり遂げたいタイプなんですよね。根がアスリートっぽいんだと思います。手術以降はどうしても出られないイベントが増えちゃっているんですけど……。

 入院期間は地獄でしたね。麻酔が切れたあと「死ぬんじゃないか?」と思うぐらい痛くて。生まれて初めて味わうレベルの激痛。起きても足は動かないし……左膝の手術だったけど、右足から腱を移植したので、「待ってくれ、下半身動かない」みたいな。今後の生活がめっちゃ心配でした。で、不安と痛みで眠れないから、初めて睡眠薬も飲んで、起きているときは朝から晩まで泣いている状態だったから、お見舞いに来てくれる人たちもいたんですけど、申し訳ないと思いつつも何にも話せなくて。でも、とりあえず動画は残しておこうと。

 手術する直前に前十字靭帯断裂になった人の動画を観たりして、それでちょっと安心させてもらった部分があったんですよ。それで「私も発信することで、私と同じ手術をする人たちがちょっとでも安心してくれたらいいな。このケガについての理解を深めてくれる人が増えたらいいな」と思って、手術についてのVlogをつくろうと決めたんです。あと、私はかわのろの活動ができないし、歩いて現場に行けない状態だったんですけど、このSNSの発信がきっかけでかわのろのアイドル活動を知ってくれる人も増えるかもしれない。そんな想いもあったので、TikTokは毎日必ずどんな姿でも投稿し続けようと決めていました。

 手術とか入院とかはマジでツラかったんですけど、SNSのおかげで頑張れた。やり甲斐もありましたし。「るいちゃんが頑張っているから、私も頑張れました」みたいなメッセージもたくさんいただきましたし、そうやって誰かの力になれているんだったら、それがいちばんしあわせなことだなと思って。手術後もリハビリがなかなか上手くいかなかったりもしたけど、病院で出逢った患者さんたちもめっちゃ優しくて良い人だったし、おばあちゃんとも仲良くなってお互いのことを泣きながら心配し合ったり、そういう人のぬりもりに救われたことでなんとか頑張れました。」

 SNSで「もう一生、正座はできないかもしれない」みたいな状況も知っていた身からすると、個人的には「戻ってきてほしいけど、この先の人生のことを考えたら自分の足を治すことが最重要だし、戻ってこなくても仕方ないな」と思っていた。なので、初ワンマンに出ることが発表されたときは「戻ってくるんだ? スゴい」と驚いたことを憶えている。彼女は入院期間、初ワンマンに向けて精力的に活動していたかわのろに対してどんな想いを抱え、そして、O-EASTのステージに立つことにしたのか。

 「素直に言うと、自分のことに集中するしかない状態だったので、そこまでかわのろのことは考えられなかったです。だから、初ワンマンに向けていろんな映像とか送られてきていたけど、ぜんぶ通知オフにしちゃったり。「これをワンマンまでに覚えてきてほしい」みたいなLINEとかもまともに見れなかったんですよね。それぐらい余裕がなかったです。本当に申し訳なかったんですけど。

 でも、O-EASTでの初ワンマンは、1年間それに向けて頑張ってきたわけじゃないですか。だから「出ない」という選択肢は、るいの中になくて。立って踊ることはムリでも「絶対に出てやる」という気持ちしかなかったです。で、実際に出たら、気持ちよかったです! 私は自分でチケット100枚売ると決めていて。その為に入院中も空き時間があったら配信したりしていたんですけど、実際に100枚達成してのステージだったから、超気持ちよかったです(笑)。それまでは「なんでこんなに痛い思いをしてまで戻ろうとしているんだろう」みたいな気持ちになることもあって、リハビリ担当の方に向かって叫んじゃうときもあったし、ずっと痛くて苦しかったんですけど、O-EASTの光景を目の当たりにして「戻ってこれてよかった」って心の底から思いました。

 かわのろのメンバーとして活動してきた1年半の中でいちばん嬉しかった瞬間はいつか? それを訊ねられたら、初ワンマンって答えます。あの日の為に頑張ってきたその集大成だったから、そこで見た景色がいちばんに思い浮かびます。初ワンマン、めっちゃよかったですよね。超楽しかったし、いちばんの思い出です!

 あと「絶対に出てやる」と思っていたのは、ファンの人たちが待っていてくれたから。いちばんはそれです。ファンの人たちが大好きすぎるから、それがなかったら出なかったかもしれない(笑)。私にとってファンの存在は人生そのものなんですよ。ファンの人たちがいなかったら何にもできないし、手術前もお手紙をたくさんもらって、それを病院に持っていっていたんですけど、すごくツラくて眠れない夜にその手紙を読んで……そのときだけは心も足も軽くなるというか、ファンのみんなの存在の大きさを改めて感じました。本当に大事な存在。大好き。」

<卒業発表時の心境~水嬉るいはどんなアイドルだったか>

 そんなO-EASTでの初ワンマンライブから約3か月後。彼女は「水嬉るいは6月14日をもってグループを卒業することを決めました」と発表する。復帰後は休みながらも、座りながらのパフォーマンスであっても、元気な姿を見せてくれていたが、卒業自体は入院していた時期から考えていたそうだ。

 「かわのろを続けたい想いはあったんですけど……もう無理だなと思う瞬間があって。で、初ワンマンの前後にめっちゃ話し合いをして、すぐに辞めるってなると……ファンのみんなに会えなくなるのがすっごいツラいから、卒業するのは6月になったんですけど、自分の中では入院していた時期に卒業する方向で考えていました。

 卒業を発表した日は、寂しがってくれるファンの人たちもいたし、「無理しているのは分かっていたから、ずっと心配していた。会えなくなるのは寂しいけど、るいちゃんの人生のほうが大切だからちょっと安心した」みたいな人たちもいたり、反応は様々だったんですけど、それでも「なんで卒業?」という人は誰もいなかったんですよね。だから「この決断をしてよかったのかな」と思いました。今、無理やり踊ったらまた手術することになるだろうし、それをファンの人たちは望んでいないだろうし、私の今後のことを考えて、卒業を受け止めてくれた人たちには本当に感謝しています。

 卒業後はまだ何をやるかは決めていないんですけど、2025年はとりあえず足を良くする。それを目標にします。私の症状だと2,3年リハビリする人もいるらしくて。人によって違うから私の場合はどれだけかかるか分からないけど、とりあえず足を良くしたい。」

 繰り返すようだが、水嬉るいは天性のアイドルだった。あの一瞬で周囲をハッピーにしてみせる笑顔とパフォーマンスは、真似しようとしてどうにかできるものじゃないし、それはオーディションの取材時から感じていた。これは私が主張せずとも、彼女のステージを一度でも観たことがあるファンなら強く感じていたことであろう。では、彼女自身は自分をどんなアイドルと思っていたのか。

 「ちゃんとアイドルのオーディションを受けたのは、かわのろが初めてだったので……いろんな人と出逢い、いろんなことがあり、普通の人ができないような経験もたくさんして。苦手な歌もかわのろに入ったことで好きになったし……「アイドルってこんなに楽しいんだ!」と思いましたね。活動している中で「自分にとってアイドルは天職だな!」と思ったんですよ。自分の笑顔で相手がしあわせになってくれる。それってめちゃくちゃ素敵なことじゃないですか! 相手のハッピーになっている姿を見てこっちもハッピーになれるし。その連鎖を何度も体験してきた。そういう意味でも、ファンのみんなと出逢えたことがいちばんの思い出。たのしかったです!

 私は超有名なアイドルしか元々知らなくて、全然興味がなかったんですよ。でも、実際に自分がアイドルになってみたら、人にしあわせを贈れる存在になれて。そんな素晴らしい天職に出逢えたので……いつかは戻りたいなと思います。そのときは、もっとたくさんの人にしあわせになってもらえるようなアイドルになりたい。正直「もっと行けたな」と思うんですよ。そういう意味では、不完全燃焼だし、すごく悔しいんです。「なんで自分が武道館に立ってないの?」と思うぐらいの気持ちなので(笑)。なので、足が復活したら、またアイドルをやりたい気持ちはあります! 本当にまた踊れるようになるか分からないから約束はできないんですけど、アイドルとして大きいステージに立ちたい気持ちはめっちゃある。

 本当にまたアイドルとしてステージに立てたらヤバいですよね! 泣いちゃうと思う(笑)。過去の動画を観ていても「こうやって立って踊れていたんだ?」って泣いちゃうんですよ。私はレスが得意というか、レスをめっちゃしていたんですけど、今は上手の2.5にずっと座っているから、いろんなところにそれができない。自分の強みがまったくない状態でライブしているんですよね。で、終わったあともみんな汗だくなのに、自分だけさらさらみたいな。全部がダメなんですよね。だから、毎回悔しいんですよ。でも、この試練を乗り越えた先に……しあわせが待っているような気がします! いつかアイドルとして復帰したいですね。

<水嬉るい卒業公演への想い~ファンへのメッセージ>

 かわのろからは夢半ばの卒業となるが、足が復活するのもいつになるかは分からないが、それでも明るい未来を見据えて「足が復活したら、またアイドルをやりたい気持ちはあります!」と前向きに語るところが水嬉るいらしい。その夢が実現した際には「天性のアイドル、復活!」を見出しにまた取材記事が書きたいものだ。最後に、彼女の卒業公演への想いと大好きなファンへのメッセージを記したい。

 「6月14日(土)の【水嬉るい卒業公演 ~たくさんの愛をありがとう!!!~】は、ファンの人たちに「ありがとう」を伝える日です! 運営さんにも、メンバーにも「ありがとうございました!」と伝えて、それで明るく前向きに卒業します!」

 「ファンの皆さん、いつもありがとうございます。みんな、私がアイドルになっていなかったら出逢えていなかったので、そういう意味でも「アイドルになってよかった」と思っています。みんながいないと何もできなかったと思うので、私と出逢ってくれて本当にありがとう。自分が楽しいときもツラいときもぜんぶ一緒にいてくれたのがファンの人たちだから、卒業してその人たちと会えなくなるのはすごく寂しいけど、またみんなに会えるように頑張るための卒業だと思うから、それまで待っていてほしいし、そのときが来たらまた笑顔で元気でみんなにいっぱい会いたいなって思っています。本当に「ありがとう」という気持ちがいちばんです! 大好き!」

—————————

<絢愛かれん(赤色)O-EASTワンマン~アイドル人生10周年>

 絢愛かれんは、情熱的なアイドルだ。メンバーから天然キャラ扱いされるときもあるし、マイペースな印象を与えるときもあるかもしれないが、私がかわのろを取材してきた中で涙する姿を最も多く見てきたのは彼女だし、誰にも見られていないところで「絶対的アイドル」になるべく努力してきた人でもある。そんな彼女にとって、かわのろでのアイドル人生は何だったのか。そして、何ゆえに今日までがむしゃらに頑張ってこられたのか。卒業直前だからこそ聞かせてもらった。

 「デビュー時から目標のSpotify O-EASTワンマンライブに至るまでの約1年間はいろいろありすぎて、めちゃくちゃ濃かったなと思います。あまりにも乗り越えていかなきゃいけない壁が多すぎたから、否応なしに何がなんでもメンバー同士で協力して、みんなで乗り越えていかなきゃいけなかった。だからこそ、メンバー間の結託力も強くなったと思うし、みんなの人間味を知れた部分もあったし、それは自分自身も出せたと思うし……本当にめちゃくちゃ濃かった(笑)。

 その結果、O-EASTでは今まででいちばんのライブができたなと思っています。るいちゃんが足をケガしたこともあって、当日までメンバー全員が揃うこともなかったし、そんな中での新曲のお披露目もあったし、構成もお正月に作り直してイチから覚えなおしたりもしたし。考えることがいっぱいだったから「本番は段取りに集中しちゃうのかな? 冷静にステージに立つことになるのかな?」と思っていたんですけど、実際はちゃんとステージを楽しむことができて、本当に良いライブだったなと思います。

 私、アイドルになって10周年なんですよ! かわのろに入るまでは「もうアイドルには戻らない」と思っていたんですけど、かわのろに縁があって加入することになって、そのときは「今までできなかったことをここで全部やってやるぞ」と思っていたんです。だけど、今回こうしてグループを卒業することになって、正直「何を成し遂げられた?」と聞かれると……私、超欲張りなんですよ。なので、場面場面を見たらいろいろやれたと思うんですけど……O-EASTに関しても「立てた」という意味では目標達成なんですけど、ソールドアウトではなかったし、完全体で達成できたかと言うとそうじゃなかったので。なので、悔しいけど、成し遂げられたことはないかなって。

 かわのろがアイドルとしてはラストチャンスと思っていたから、少なくとも5年ぐらいは続けようと思っていたんです。たぶん、それぐらいだったら体力的にも……(笑)かわのろのパフォーマンスは結構バキバキだけど、続けられると思っていて。その間はプライベートも捨ててすべてここに注ごうと。だから、私自身もこんなに早く卒業するとは思っていなかったんです。」

 これほどまでにアイドルに、かわのろに並々ならない情熱を注ぎながらも、絢愛かれんは卒業することになった。それが決まってから今日までどんな想いで活動してきたのか。そして、卒業を発表した日、彼女はファンからの反応に何を感じたのだろうか。

 「O-EASTのワンマンが終わったあとも「私のメンバーカラーの赤ペンラを持って来てくれる人がもっと増えたらいいな」と思って、ひとりで名刺配りに行ったりとかしていたぐらい、本当にずっと続けていくつもりだったんですけど……「このグループに必要とされていないのかもしれないな」と思う瞬間があったんです。必要とされていないのにしがみついていたとしてもしんどいだけだし、やがて上手くいかなくなるじゃないですか。それだったら、悔しいけど、身を引いたほうがいいんだろうなと思って、卒業を決断しました。でも、それからはご飯も食べれず、常に泣いている状態で……そんな中でもメンバーが支えてくれたり、友達の言葉に救われたりしていて。

 ちょうど桜の季節でもあったから、葉桜の話をしてくれて。桜ってめっちゃキレイじゃないですか。でも、必ず散ってしまう。散らなきゃいいのにと思うけど、それは変えられない現実としてあって。だけど、散ることによって、もしかしたら今年より来年はキレイに咲けるかもしれないし、もっとたくさんの人たちに見てもらえるかもしれない。そんな話を私が悩んでいるときにしてくれた友達がいて。それでメンタルがかなり回復していきました。

 ただ、4月17日に卒業発表の文章を公開しなきゃいけなかったんですけど、その文章が思いつかなくて、そのときも友達に泣きついたんです(笑)。で、本当はもっと万人ウケするようなキレイな文章を書こうと思っていたんですけど、友達が「万人ウケする文章じゃなくて、伝わる人には伝わる素直な気持ちを書いたほうがいい」と背中を押してくれたから、9割の人に「なんだこいつ?」と思われても1割の人に受け止めてもらえたらそれでいいと思って、素直な心情を綴って公開したんです。

 そしたら有り難いことにあったかい反応をたくさんもらって。絢愛かれんを推してくれている人はもちろんなんですけど、他のメンバーを推している人も「あなたがステージに立っているから、私が現場に行っていたんだよ」とか「あなたの歌があるからかわのろだったんだよ」みたいな言葉を返してくれて……(泣きながら)このグループに必要されていないと思っていたけど……こうやって必要としてくれている人たちがいたんだなって。それで救われたと思うぐらい、あったかい言葉しかなかったんですよね。なので、良い場所でアイドルをやらせてもらえていたんだなと思いました。

<卓越したパワー──努力の人が掲げた「絶対的アイドル」>

 絢愛かれんは、個人的にはかわのろの歌唱面におけるド真ん中の人だった。体力面や精神面においても卓越したパワーを感じさせる瞬間があり、例えば、昨年末に夜通しで行った【100人にチケットを売るまで終わらない配信2】。私はMCとしてその現場にいたわけだが、ひたすら語って歌って踊って(他のメンバーのフォローも率先してやりながら)様々な試練も乗り越え、朝方にやっと配信が終わると……「私、これからまた予定あるんです!」と笑顔でスタジオから出ていった姿を見て、スタッフに「体力オバケですね。根性も半端ない」と話したことを憶えている。本当にスゴいアイドルだと思った。が、こうした突出した能力ゆえに上手くいかないこともあったようだ。

 「かわのろの前に在籍していたグループでは、それゆえにベクトルや歩調が合わないから、そのときは「ソロでやったほうがいいのかな」と思って。グループで活動していると人よりもエネルギーの量がスゴいから、それを分散させる為にソロをやろうと。でも、そしたら「ソロをやるならアイドルを続けられない」ってなってソロだけに移行したんですけど、それも大人の事情で終わってしまって。そんな経緯もあって「絶対的アイドル」という私のキャッチコピーが生まれたんです。

 私はこのお仕事をさせてもらうまでは、兄妹も4人いたし、ママも専業主婦だったから、オシャレとかも全然できなかったし、習い事もあんまりできなかったし。だから、歌の音域を広げたくてもひとりで何とかするしかなくて……ぜんぶ努力で作り上げてきたものだったんですよね。でも、その結果、プロデューサーのモエさんに「かれんの強いところが良い」と評価してもらえたことでかわのろに入れて、それまでグループではマイナス視されていた部分も敢えて「絶対的アイドル」と打ち出してプラスに変えていこうと思ったんです。

 かわのろ卒業後の新天地は一応もう決めてあります。かわのろは1年ブランク空いてからのスタートだったんですけど、今止まってしまうと芸能を続けない道へ進むことが濃厚になっちゃうなと思って、1日でも早く次の活動をスタートさせたいとは思っています。ただ、正直、またアイドルをやるかは分からない。私は元々「女優さんがやりたい」と思ってこの世界に入ったので、これをきっかけに映像とか舞台とかをメインに活動していくかもしれないです。」

 持ち前の卓越したエモーションとパワーがあれば、アウトプットの方法が変わったとしてもきっと「絶対的」な何かにはなれるだろう。が、絢愛かれんとしてのアイドル人生はまもなく終止符を迎えることになる。夢半ばの卒業とは言え、これがアイドルとしてラストチャンスだと思ってすべてを注いだかわのろは、彼女にとって一体どんな存在だったのだろう。

 「かわのろは、ビジュアル面もパフォーマンスの見せ方も個性がみんなバラバラなのに、ステージに立つとひとつにまとまるというか、ちゃんと統一感がある。それって純粋にスゴいことだなと思います。ちゃんと個性を殺さずに、ちゃんとグループになれているところがかわのろの良いところですね。メンバーとは姉妹でもないし、友達でもないんですけど、何でも話せて……本当にちゃんとリスペクトし合える存在だったから、それも純粋に良いところだなと思っていて。羨ましいなとかそういう感情じゃなく、純粋に「この子はここがスゴいな」って尊敬できる。リスペクトを持って関わり合うことができたことは、本当にこのグループに入れて良かったなと思うところですね。おかげで自分自身も成長することができましたし、本当に切磋琢磨できる存在です。

 あと、ふみふみ(心音ふみな)が加入してまだ1か月ぐらいの頃、金沢遠征に行ったんですけど、みんなでひとつのお家に泊まっていて。みんなでテーブルを囲んでお菓子とか食べながら、6人でくだらない話をしていた時間がすごく楽しかったです(笑)。6人ではもちろん仕事の話をする場面も多いんですけど、その時間は純粋にたのしいだけの時間だったんですよ。何も深いことを考えず、誰かが面白いことを言ったら、みんなでゲラゲラ笑い合って。修学旅行の深夜のテンションみたいな。あれはしあわせな時間でしたね。メンバーとはご飯も行くし、LINEのやり取りもいっぱいするし、そういう何も考えずにわちゃわちゃできる時間がやっぱりたのしかったです。

 私にとってのかわのろ人生は、青春でした。失くしたと思っていた青春が戻ってきて、また最初から青春を味わえた日々でした。そんな時間をずっと共に過ごしてきたメンバーだから、みんな健やかにアイドルをやってほしいなって。それが今いちばんの願いというか。ただでさえ、自分自身を商品としてステージに立つのって尋常じゃないぐらい体力も精神力も消耗しますし、心穏やかでいられないときも多い仕事だと思うんですけど、だからこそ余計なことで傷ついてほしくないし、なるべく健康な心で活動してほしいなと思います。「売れる、売れない」「大きいステージに立つ、立たない」はそれからの話だと思うので。」

<絢愛かれん卒業公演への想い~ファンへのメッセージ>

 そんなかわのろでの日々を語るうえで欠かせないのは、絢愛かれんにとってもファンの存在であった。最後に、彼女の卒業公演への想いと大好きなファンへのメッセージを記したい。

 「かわのろを好きでいてくれる人たちの顔がステージから見えること。SNSでひとつひとつのリプを送ってもらえること。特典会でひとつひとつの言葉を伝えてもらえること。そのすべてがいつだって嬉しかったです。例えば「今日、たのしかったよ」とかそういう言葉のひとつひとつが「アイドルをやっててよかったな、ステージに立ててよかったな」っていうエネルギーになるんですよね。私はキラキラな気持ちを届けているつもりなんですけど、逆にファンのみんなからもらっているほうが多いなって思うし。だから、私にとっては本当にあったかい存在です。

 6月29日(日)に開催される【絢愛かれん卒業公演 ~my sweet tears 絶対的な光の先へ】。今考えているのは、かわのろの全曲をやろうと思っていて。だから、それだけでパツパツになると思うんですけど、言葉はSNSなどを通して発信することができるから、1曲1曲全力のパフォーマンスを届けたいです。私は卒業する身なので、こんなことを言うと顔をしかめる人もいるかもしれないけど……それでも「これが可愛いって言わないと呪う!です」っていうパフォーマンスを見せられたらいいなって思います。

 ファンの皆さんには、まずは「かわのろを見つけてくれてありがとう」という気持ちです。この1年半でいろいろ悲しい想いをさせちゃうことも多かったと思うんです。本来だったら「たのしい」とかポジティブな感情だけを届けたいんですけど、現実はそうはいかなくて。正直、私も悔しい気持ちを残したまま卒業することにはなるけど、でも、かわのろとして活動していなかったら出逢えなかった人たちが本当にたくさんいるから、心の底から「出逢ってくれてありがとう」っていう気持ちです。なので、卒業までは、卒業ライブだけじゃなくてどのライブも「かわのろ、最高だよな」って思ってもらえるようなパフォーマンスを届けるし、かわのろはライブがいちばんだと思っているから、そこでしあわせな気持ちになってもらいたいです。

 かわのろのメンバーと私は別々の道を歩むことになってしまうけれど、それでもファンのみんなに「たのしんでほしい」とか「明日を生きるエネルギーを届けたい」という気持ちは変わらないので、かわのろとしても、かわのろを卒業した私だとしても、みんながふとしたときに寄り添える、ホッとできるような、ちょっと心が満たされるような存在で在り続けたいなと思っています。本当に「ありがとう」という気持ちでいっぱいです!」

取材&テキスト:平賀哲雄

◎イベント情報

可愛いって言わないと呪う!
【水嬉るい卒業公演 ~たくさんの愛をありがとう!!!~】
6月14日(土)渋谷・Stadio Freedom
OPEN 14:30 / START 15:30
一般チケット:3,000円(1D別)
https://tiget.net/events/397473

可愛いって言わないと呪う!
【絢愛かれん卒業公演 ~my sweet tears 絶対的な光の先へ~】
6月29日(日)渋谷・Spotify O-Crest
OPEN 12:00 / START 13:00
一般チケット:3,000円(1D別)
https://tiget.net/events/397474

◎可愛いって言わないと呪う!オフィシャルサイト
https://kawanoro.bitfan.id/
◎可愛いって言わないと呪う!X公式アカウント
https://twitter.com/kawanoro_info
◎可愛いって言わないと呪う!TikTok公式アカウント
https://www.tiktok.com/@kawanoro_official
◎可愛いって言わないと呪う!YouTube公式チャンネル
https://www.youtube.com/@kawaiitteiwanaitonorou


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