<ライブレポート>ENHYPEN、「ENGENEとの絆」を確かめたワールドツアーの日本公演

2024年6月18日 / 19:00

 ENHYPENのワールドツアー日本公演【ENHYPEN WORLD TOUR ‘FATE PLUS’ IN JAPAN】が、6月11日にさいたまスーパーアリーナで初日を迎えた。

 2024年2月、5thミニアルバム『ORANGE BLOOD』で、初のダブルミリオンを達成したENHYPEN。2020年にデビュー後、着実に世界中で人気を集めている彼らは、さらにパワーアップした姿を埼玉公演で見せてくれた。本稿では、埼玉公演最終日となった6月13日の模様をレポートしていく。
 
 本ツアーは、2023年7月から2024年2月まで行われたワールドツアー【ENHYPEN WORLD TOUR ‘FATE’】のアンコールツアーである。そのためセットリストは、【FATE】のセットリストに新曲を追加したものとなっているのだが、不思議と全く別の公演のように感じられ、新鮮に楽しむことができた。一体なぜなのか。それはやはり、7人の確かな成長と、「新しいENHYPENを見せ続けたい」という彼らの想いがまっすぐに伝わるライブだったからではないだろうか。

 そんな7人の熱意は、「Drunk-Dazed [Japanese Ver.]」からダンスブレイク、そして2曲目の「Blockbuster」と激しいパフォーマンスが続くオープニングからしっかりと感じられた。歓声が鳴り止まない中、ENHYPENの得意とする妖艶かつキレのあるダンスパフォーマンスで、あっという間にENGENE(ENHYPENのファンネーム)を魅了。「FATE PLUS」のために新調されたという深い青色の王子風衣装は、彼らの圧倒的ビジュアルとスタイルの良さをより際立たせていて完璧だった。

 MCでは、メンバーが一人ずつ日本語で挨拶を。JAY(ジェイ)が「みんな今日最終日だよ! 最終日の分だけ叫べ~!」と煽ると、会場は大歓声に包まれた。さらにJUNGWON(ジョンウォン)が「ENGENE、もっと叫んでくれないとJUNGWON拗ねちゃいますよ?」と拗ねた表情を見せると、ENGENEはもちろんメンバーからも「かわいい~」の声が上がる。NI-KI(ニキ)の「声がカラカラになるまで叫んでくださると、僕たちもすごいエネルギーがもらえるので皆さんよろしくお願いします!」というお願いに応えるかのように、さらに会場は熱気に包まれた。

 その盛り上がりの中披露したのは、「Let Me In (20 CUBE) [Japanese Ver.]」、「Flicker」、「FEVER」、「Still Monster」。「Let Me In~」では「君の世界はすでに完璧で でも突き放さないで」と爽やかに、かつ切なく歌い上げ、「Flicker」では「僕は君をもっと感じる」と力強く愛を伝える。そして「FEVER」では成熟した7人が色気たっぷりに、「熱に浮かされたように 君を抱きしめたい」と歌うのだからたまらない。流れるようにしなやかなダンスにも釘付けとなった。そして【FATE PLUS】から新たに追加された楽曲「Still Monster」。「愛とは何か? 問い続ける僕に愛を教えてくれるんだね 結局答えはいつも君だけだ」というストレートな歌詞と、心地よくキャッチーなメロディがくせになるポップバラードだ。もうこの時点できっと誰もが、ENHYPENに恋してしまう。そんなふうに思わせられるほど、全くジャンルの異なるラブソング4曲をENGENEへ向けて歌い上げ、たっぷりと魅了した。

 ガラリと世界観を変え、白を基調としたスポーティーな衣装に着替え披露したのは「Future Perfect (Pass the MIC) [Japanese Ver.]」と「Blessed-Cursed [Japanese Ver.]」。汗だくで踊る7人、そしてそんな彼らに応えるかのようなENGENEの完璧な掛け声と大きく揺れるペンライトは、会場にさらに一体感をもたらした。

 「Attention, please!」ではJAYの華麗なギターさばきからの、思いっきりギターを投げる姿に釘付けとなり、「ParadoXXX Invasion」ではステージのギリギリまで行き、ENGENEを笑顔で見渡すメンバーが微笑ましかった。NI-KIの投げキスや、SUNOO(ソヌ)の可愛すぎる猫耳ポーズなど、見どころ満載。「Tamed-Dashed [Japanese Ver.]」ではメンバー全員のサイン入りラグビーボールに、HEESEUNG(ヒスン)がキスをして客席へ投げ込むと、悲鳴に近い歓声が沸き起こった。

 続いてユニットステージでは、JAY、JAKE(ジェイク)、SUNGHOON(ソンフン)、SUNOOが「TFW(That Feeling When)」を。「JAYさんが日本公演のために新しくギターアレンジしたので期待してください」(NI-KI)、「久しぶりにENGENEの皆さんにお見せするんだって、すごく夜遅くまで練習してたんです」(HEESEUNG)というメンバーの言葉どおり、JAYのアコースティックギターが優しく鳴り響く。しかもそのギターにはメンバーのサインが書き込まれていて、そこにまたグッときた。

 「HEESEUNGさんもJAYさんに負けないぐらい、スペシャルなピアノ演奏を準備したじゃないですか~!」と嬉しそうにJUNGWONが話していたが、JUNGWON、HEESEUNG、NI-KIの「Just A Little Bit」も、感動的だった。HEESEUNGがピアノを弾きながら、優しい表情でJUNGWONとNI-KIを見つめる姿が印象に残っている。

 「ENGENEゲットしに行くぞ! ENGENE、君に決めた!」とJAYが笑顔で叫び、始まったのは「One and Only」。ステージに駆けつけたピカチュウ6匹と一緒に踊る7人があまりにも可愛すぎた。ライブ序盤のダークな世界観から一変、ピカチュウとのコラボまで、かっこいいも妖艶さもかわいいも全て表現できるENHYPENって、最強ではないだろうか。

 その後のMCでは、「JAYお兄さんは『君に決めた!』がやりたくて、ずっとそこだけ練習してたんです(笑)」とメンバーにいじられると、JAYは「楽しみにしてたよ確かに。悪い?」と笑いを誘った。また、ENGENEのために準備されたサプライズコーナーでは、HEESEUNGがアカペラでJVKEの「golden hour」を披露。圧倒的美声を会場いっぱいに響かせ、ENGENEを虜にした。
 
 NI-KIが「昨日の公演に来た方はわかると思うんですけど、JAKEさんとHEESEUNGさんの花嫁探しをします」と話すと、大勢のENGENEが立候補を。HEESEUNGは、「僕と結婚したい方がこんなにたくさんいると思っていませんでした」と、嬉しそうにニッコリ。また、JUNGWONが「NI-KIは末っ子なのでまだダメなんです。再来年ぐらいに花嫁を見つけようね?」と言うと、NI-KIが「再来年も来てくれる人~? 二年間待ってる」とサラリと言ってのけ、会場は喜びに包まれた。さらにステージを離れていたJAKEが戻ってきて、「昨日は全員僕のものって約束したじゃーん! 裏切りだよ。HEESEUNGさんのほうにいくの?」とヤキモチを焼いたり、SUNGHOONが「埼玉が結婚式場みたいだね」と笑顔を見せたりと、和気あいあいと楽しいトークが続いた。また、ランダムでメンバーがフリーダンスをするコーナーでは、SUNOOが大抜擢。「オットッケ~(韓国語で「どうしよう」という意味)」と言いながら、恥ずかしそうに踊る姿が可愛らしかった。

 いよいよライブも終盤。「Chaconne」は、NI-KIの指先まで魂のこもったソロダンスから始まる。このソロダンス、本当に何度見ても圧倒されてしまう。「Chaconne」のパフォーマンスは、さっきまでピカチュウと踊っていたキュートな7人と同一人物とは全く思えない。まるで別人がステージに立っているかのように、挑発的な表情でバキバキに踊る彼らに心を奪われる。そして「CRIMINAL LOVE」が始まると、「待ってました!」と言わんばかりに会場からは大歓声が! すでにライブは終盤で体力は限界を迎えているはずなのに、それを微塵も感じさせない鬼気迫るパフォーマンスに、思わず息を呑んだ。その盛り上がりのまま、続いて「One In A Billion」を披露し、さらに会場を熱くさせた。その後のMCでSUNGHOONが「僕たちの音楽がギュッと詰まった、毎回自慢に思うステージ」と話していたが、本当に、【FATE】から【FATE PLUS】を経て格段に進化した彼らを、まざまざと見せつけられた圧巻のステージだった。ラストに「Bite Me [Japanese Ver.]」を堂々とパフォーマンスをした7人は、舞台去り際まで抜かりなく美しかった。

 アンコールは「Sweet Venom」、「Orange Flower (You Complete Me)」を披露。「私たちが一緒なら世界は愛という花で溢れるよ」と書かれたスローガンをENGENEが掲げると、全員がそれを嬉しそうに見渡していた。一人ずつ挨拶をして、ラストに「Karma」をパフォーマンス。ああ、ついにライブが終わってしまう…と名残惜しい気持ちになっていると、「でも、ちょっと足りないかな?」(JAY)、「このまま帰るつもりですか!?」(NI-KI)と、日本オリジナル曲「Make the change」をサプライズ披露! ステージの端まで移動しながら歌い、最後の最後までENGENEとの時間を楽しんでくれた。「ENGENEありがとうございまーす! 愛してる!」と客席に向かってたっぷりと愛を伝え、7人は笑顔でステージを後にした。

 公演中、何度も「ENGENEとの絆」という言葉を口にしていたENHYPEN。「運命の糸より強く頑丈にしていけるように頑張ります」というHEESEUNGの言葉のように、本公演は、ENHYPENとENGENEの絆がさらに強く深まった約3時間半だったのではないだろうか。【FATE PLUS】の日本公演は今後、福岡・広島・愛知・宮城と続いていく。さらに7月12日には2ndスタジオアルバム『ROMANCE : UNTOLD』でカムバック予定だ。今後さらに飛躍していくであろうENHYPENから目が離せない。

Text by 紺野真利子

◎公演情報
【ENHYPEN WORLD TOUR ‘FATE PLUS’ IN JAPAN】
2024年6月11日(火)、12日(水)、13日(木)
埼玉・さいたまスーパーアリーナ


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