【仲宗根 泉 インタビュー】「366日」「NAO」、バラードの女帝・仲宗根 泉(HY)が1分間のバラードを書き上げた

2017年10月21日 / 10:00

(okmusic UP's)

HYを支えるソウルシスター仲宗根 泉のソロアルバム『1分間のラブソング』は、自身がInstagramに上げた歌のスケッチを、HYとは違うテイストで仕上げた美しく愛しい作品集。同時発売の書籍『1分間のラブソング~あなたはあなたでいい~』も併せてチェックしてほしい。
──力のこもったソロアルバムというよりは、親密なプライベートアルバムという手触りの作品だと思いました。
「本当に自分のやりたいことをやって、常日頃から思っているHYの泉ではなくて、仲宗根泉として曲を書けたと思います。“こういうふうに書いたほうが売れるかな?”とかは一切考えずに、ただインスタを見ていて目に留まった、ひとりのファンの方に届けばいいなと思って書いたので。HYの仲宗根泉が書く詞よりも、もっと心に寄り添っている、近しい人が書いたようなアルバムになってるかなって思います。」
──まさに。そもそもインスタで1分間の曲を作ってアップしようというのは、どういうきっかけで始まったんですか?
「私はおせっかい焼きババアみたいなところがありまして(笑)。人生相談とか、困っている人を見ると自分の考えを言いたくなるんですよ。インスタに悩みを書いてくるのは会ったこともない人ですけど、それを知って“ふーん”で終わらせることはできなくて。“じゃあ、あなたが今夜よく眠れるように私が曲を書くから、ちょっと心が癒されて明日も頑張ってね”みたいな感覚で最初は始めました。」
──歌詞も曲も、その場で作るんですか?
「全部即興ですね。曲がそのまま降りてきて、それをコード譜に起こすだけなんで、2〜3分でできちゃうんですよ。HYの曲を書く時はやっぱりいろいろ考えるし、待ってても降りてこない時もあるんですけど、今回のアルバムに関してはただの1曲も悩んだことはなくて、インスタのコメントを読んでいて自然に出てきた想いと、自分の感情に合わせて降りてきてくれた。インスタには1分という制限があるので、構成がシンプルなのはそれが理由なんですけど、いつものA→B→Cという構成じゃなくて、AとCだけでもこんなに伝えることができるんだなって、学んだことは多いですね。HYの私が書く曲って長ったらしいじゃないですか(笑)。」
──そんなことないですけど(笑)。
「こんなに短い言葉で言いたいことが言えるなら、そのほうがいいなと思うんですね。」
──“1分間のラブソング”というタイトルで、ほとんどが恋の歌ですけど、「いつかあなたの夢が」「You Know」「today」は恋の歌というより励ましの歌ですよね。
「「夢の中でも」も恋の歌ではないです。私のおじいちゃんが亡くなって、夢の中にも現れてくれなくて、すごく寂しいという気持ちを曲にしました。恋愛と思ったとしても、そうじゃない歌詞も結構あります。男女の関係じゃなくても、大きな愛で括ったラブソング”という感じです。」
──「いつかあなたの夢が」はファンからのリクエストが一番多くて、1分間の曲を1曲の長さに膨らませたという。
「そうです。この曲が一番フルで聴きたいという声が多かったので。ただ、他の曲も“色を付けたらこんな素敵な曲になるんだ !?”と思って、結果的にほとんど1分以上になってるんですけど。今後はこれをHYのほうに持って行けたらいいと思っているし、すごくいい曲が書けたと思ってます。」
──ちなみにHYのメンバーは演奏に関わってるんですか?
「まったく関わってません、あいつらは(笑)。」
──あはは。あいつらって(爆笑)。
「私がインスタをやってる時、もちろんHYのことを考えながら発信したりしますけど、自分の音楽に関しては“これはメンバーを入れてもいい、でもこれは自分だけでやりたい”というものがあるので。今回は生バンドでやっているものもありますけど、リズム感とか雰囲気とか、たぶんあいつらにはできないだろうなと(笑)。だから、他の方にやってもらいました。」
──(笑)。英語の歌詞が1曲ありますよね、「このギターと愛と」という。なぜ英語詞に?
「もともと作っていた時から、伝えたい雰囲気が日本語じゃないなと思っていたので。コルビー・キャレイがすごく好きで、それっぽい曲を1回作りたかったんですけど、みんなの思う私のイメージって昭和の感じのラブソングというか(笑)。」
──あはは。そうですかね。
「じゃなくて、もっとお洒落な感じも好きなんですよ。でも、このグルーブはメンバーじゃ出せないからHYではできない。だから、ここでどうしても作りたかったんです。いつか挑戦したいなと思っていたことが、ここで叶って嬉しいです。」
──繊細な打ち込みのビートの「それでいい」とかも、HYではないような泉さんならではの曲だと思います。
「もともと私はああいうクラブ寄りの音とかR&B系の曲が好きなので。J-POPをそんなに聴かないんですよ。だけど、HYの5人が合わさるとJ-POPのあのかたちになるんです。それはHYとしてはいいんですけど、仲宗根泉としてアルバムを出す時には、やっぱり自分の好きな路線を伸ばしていきたいと思っていて。」
──いろんな人に届くといいですね。
「“昔はHYを聴いてました”とか、“久しぶりにフェスで観て、また聴き始めました”とか、そういう方がすごく多いんですよ。そういう方たちに“HYはあなたたちの知らない間にこんなに成長して、今はこういうラブソングを書けるようになったよ”という意味でも、いろんな人に聴いてほしいなと思いますね。」
──そうそう、最後に同時発売の本についても紹介を。
「私がインスタに上げる詞に対して、あまりにも反響が大きかったんですよ。前に2冊出してるんですけど、“やっと新しい本が出ますね”って喜んでくれるお客さんがすごく多くて。インスタに上げてる詞に新しい詞を追加して、写真とエッセイも入れたら180ページぐらいのボリュームになっちゃって、すごく読み応えがあるけど、ひとつひとつは短くて分かりやすいので、ぜひ読んでみてほしいと思います。」
取材:宮本英夫
アルバム『1分間のラブソング』
2017年10月25日発売

ユニバーサルミュージック

UPCH-2139

¥2,000(税抜)
書籍『1分間のラブソング ~あなたはあなたでいい~』
2017年10月25日発売

株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン

¥2,000(税抜)

※書籍Ver CD封入
仲宗根 泉
ナカソネイズミ:HYのキーボード&ヴォーカル。2000年、HYを結成。現在も沖縄に在住し、全国・世界へと音楽を発信している。アーティストであり、母でありアーティストである彼女ならではの視点で紡がれた言葉とメロディーは日常の中にあるリアルな感情を呼び起こし、さまざまなかたちのラブソングとなって心に響く。彼女のInstagramに不定期にアップされる“Izupera”という1分間の楽曲が、フォロワーの心を掴み話題となり、タイトルはそのまま「1分間のラブソング」として17年10月にCDアルバム&書籍を同時発売。


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