エンターテインメント・ウェブマガジン

©2026「平行と垂直」製作委員会
安田 のんちゃんは、何かを伝えようとするとき、自分の言葉でこんなふうに伝えたいと、きちんと感情が整理されているんです。そこは僕と似ているなと。僕も自分の伝えたいことがあるときは、自分の言葉で説明することを心掛けていますし。それともうひとつ、相手の放つ言語以外の空気や体温、人間の匂いみたいなものを察知しようとする点も似ている気がします。だから、お芝居のキャッチボールができるのかなと。
のん 安田さんのおっしゃる通りで、お芝居をするときは、二人で空気を作っている感覚を大事に、相手の演技を感じとるように心がけています。それをお互いに受け取り、きちんと返せていることが実感できると、すごく幸せな気持ちになります。今回も、安田さんとのお芝居では、ものすごく充実した感覚がありました。
安田 「人生はポコ・ア・ポコ(人生はゆっくり進んでいけばいい)」という言葉がありますが、その通りだなと改めて感じました。僕自身も、大きな病気(2017年に髄膜腫を発症)を経験しましたが、それでも、こうして誰かのために表現できる幸せを感じていられる。だから、「人生はポコ・ア・ポコ」でいいんだなと。
のん 私は、お芝居のときは空気感を大事にするのに、普段は言葉に縛られがちなので、家族ともきちんと心でつながることが大事だなと改めて感じました。あと、私にとっては安田さんとの出会いが衝撃でした。
安田 衝撃でしたか(笑)。
のん 激震です!「こんな方がいるんだ!」と感動があふれ出ていました。
安田 そんなことないよ。町の商店街にもいっぱいおるで。
のん いませんよ(笑)。面白くて、優しくて、現場の士気を上げてくださる上に、すごくフラットにいろんなお話しをしてくださって、物事の嫌な部分もいい部分も全部ひっくるめて捉えている感じで、私もこんなふうにフラットに物事を受け止められたらいいなと。ニュータイプです!
安田 ニュータイプ(笑)。新人種やん。
のん 物事を受け止める懐の深さも素晴らしいですし、いろいろなことをつぶさに察知し、気を配るスキルもすごいな…と。とても尊敬しています。
安田 ありがとう。
安田 多くの方は、思いを行動に移すことが苦手なのかなと。思っていても行動できなかったり、言葉にして伝えるのが苦手だったり…。僕は、思っているなら行動に起こした方がいいし、言葉にして伝えた方がいいと思っているので、相手を大切に思っていると感じたときは、そう伝えるようにしています。人と人との関係は、トライしないとわからないことの方が多いですから。それだけ人間関係が複雑ということなんでしょうけど、それを意識して努力するところから、相手に対する理解が生まれるのではないでしょうか。
のん 優しさや思いやりの大切さを改めて感じました。私は今まで、自分がかけられたい言葉を人にかけるようにしていましたが、それが相手の感覚に合わないことも多かったんです。そういうことを経験し、「間違えていたのかな」と気づき始めたときにこの作品と出会い、曖昧にしていた部分と今、正面から向き合っているところです。でも、そういうことに気づけたのも、安田さんのおかげです。これからは、安田さんのような振る舞いを心がけたら、人と円滑な関係性を築けるんじゃないかなと。それも含めて、とても大きな学びになった作品です。
(取材・文/井上健一)

©2026「平行と垂直」製作委員会
舞台・ミュージカル2026年8月28日
ドラマ「そこから先は地獄」(日本テレビ)で主演を務め、映画『教場 Requiem』など数々の映画やドラマに出演、「おしゃれクリップ」(日本テレビ)ではMCも務める井桁弘恵。9月4日から上演される「SWAN -Ballet cross Re … 続きを読む
映画2026年8月27日
-中野監督は、早瀬さんのクランクアップ時の様子について「崩れ落ちるように」と語っていますが、当時の心境はいかがでしたか。 撮影中は朝子と一心同体で生きた感覚があったので、クランクアップしたときは「うれしい」でも「寂しい」でもなく、何とも言 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年8月27日
スペインの詩人・劇作家ロルカの傑作「イェルマ」を起点に、作:オノマリコ×演出:稲葉賀恵によって、1930年代のスペインから現代の東京へと舞台を移し、生きる価値を見出そうとする女と男たちの物語を描く舞台「Yerma イェルマ」が9月21日か … 続きを読む
映画2026年8月26日
-しんすけさんを含め、スペシャルニーズの方々やそのご家族にお会いしたことで、作品に取り組むお気持ちに変化はありましたか。 最初にお会いしたとき、ご家族から「俳優として接してください」とお話がありました。「やりたいことは遠慮しないでください … 続きを読む
2026年8月25日
K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む