穂志もえか「かなりユニークな、今までに見たことがないような映画になっていると思います」『Never After Dark/ネバーアフターダーク』【インタビュー】

2026年6月4日 / 09:00

-ジョーダン・ピールの映画は、アメリカではブラックコメディーとして捉えられていますね。その点は日本人とは感覚が違うと思います。穂志さんはドラマシリーズの「SHOGUN 将軍」にも出ていますが、外国人の監督やスタッフと一緒に仕事する時に違いを感じたりはしますか。

 ホラーコメディーという点では、実はデイヴも同じようなことを言っていました。テキサスの映画祭でも、この映画を見た観客が笑ったんです。そういう反応は面白かったです。「SHOGUN 将軍」の時も、私が普通にシリアスなお芝居をしているのに、なぜかスタッフのみんなが笑っていたりして。まあ面白がってもらえるのはうれしいことではありましたが、観点が違うのかもしれないですね。

-だから、ゾンビ映画などもそうですけど、ホラーなのに笑ってしまうことがあります。ホラーとコメディーは紙一重なところがありますね。

 そうですね。この映画は、日本ではホラー映画として打ち出していますが、そう考えると、海外の人たちのように、「面白いもの見ようぜ」とか、「ちょっとお化け屋敷に行こうぜ」みたいなノリでもいいのかなと思いました。そうすれば怖いのは苦手という人にも見てもらえるかもしれませんし。

-今回、プロデューサーでもあり、共演もした賀来賢人さんはどんな感じの方でしたか。

 プロデューサーとしてとても信頼ができる方だと思いました。賀来さんの製作会社は、メンバーもわずかな人数しかいませんが、ほかの製作会社と組むわけでもなく、いろんなところから出資を集めることもしていません。だから本当に風通しがいいというか、自分たちが全ての責任を取るという気構えで奮闘していらっしゃいます。「どんな問題も絶対に解決するので任せて」という言葉の説得力は、やっぱり賀来さんの現場での言葉や振る舞いから生まれてくるものだったと思いますし、ご自身の長年のキャリアから、現場のスタッフやキャストがどうしたら快適に過ごせ、モチベーションを保てるのかということも分かっていらっしゃるので、そういう現場の環境作りをはじめ、いろんな面で支えていただいたと思っています。

-完成作を見てどう感じましたか。

 冒頭から効果音も含めてたくさん音楽がかかって、かなりエンタメっぽく、見やすく仕上がっていると思いました。静かに緊迫感をあおっていく感じではないところに最初は違和感がありましたが、いい意味で期待と違ったというか、最終的にはいい違和感だったと思います。あとは、試写を見に来てくださった方からも、「画が違う。あまり日本の映画っぽくない」とおっしゃっていただくことが多くて。それは、監督も撮影監督もアメリカの方で、彼らのエッセンスや美的感覚がよく出ているからだし、日本の技術スタッフといいコラボレーションができた結果、かなりユニークな、今までに見たことがないような映画になっている感じがしました。

-やはり監督の意志が大きく反映された映画という感じですか。

 そう思います。それは一貫してあったと思うし、それが見てくださる方にも伝わるといいと思います。今日、インタビューをしていただいている中で、現実の問題に向き合うということは、いろんなことに置き換えられると思いました。自分の問題も、世の中で起こっていることも。何かそういうふうに、見た方々のそれぞれが、ご自分のこととして考えられたら、ただ「怖かったね」のホラー映画では終わらない深みが出てくると思いました。

-これから映画を見る観客や読者の皆さんに向けて一言お願いします。

 私自身も、あまり見たことないようなユニークな映画になっていると思います。どのように受け取っていただいてもいいので、何より楽しんでいただけたらというのが一番にあります。もし面白いと思っていただけたら、口コミが大事なので広めていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。

(取材・文・写真/田中雄二)

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