エンターテインメント・ウェブマガジン

鼻で吹くパイワン族の伝統楽器「双管鼻笛」について説明するサウヤーリさん
音楽面では、海の民特有の「明るく響き渡る発声」に非常に親近感を覚えますね。今回の来日は、集落の人々の祝福を背負っているような不思議な感覚があります。私の故郷は、かつて宮古島の人々との悲しい歴史(1871年の牡丹社事件)にも関わっています。しかし現在では、双方の子孫が和解の儀式や交流を続けています。
以前は、島に住みながら海をどこか恐れているところがありました。でも、世界の島嶼文化をつなぐプロジェクト「小島大歌(スモールアイランド・ビッグソング)」に参加したことで意識が変わりました。マダガスカルやニュージーランドなど、同じオーストロネシア語族の仲間たちとの交流を通じて、彼らは太平洋を中央にした地図を見ていることに気づいたんです。その時、海は「壁」ではなく、世界とつながる「道」なんだと感じました。オーストロネシア語族のルーツは、ここ台湾にあるそうです(近年の言語学研究で有力な説)。私たちの先祖はここから海を渡り、各地に文化の種を蒔いていったんです。私の音楽には、そうした海洋民族としてのアイデンティティも融合しています。
特に注目してほしいのは、鼻で吹く伝統楽器の「双管鼻笛」です。右側に三つの穴があり、もう一方は穴がなく、この笛の音色は百歩蛇の泣き声とも言われます。実は日本があまりに寒くて鼻が詰まってしまい、吹けるかどうか心配なのですが(笑)、この音色を通じて、私たちの先祖の精神を感じていただければうれしいです。
台湾は小さな島ですが、3千メートル級の山々が連なり、多様な原住民族の言語と文化が共存しています。この豊かな環境と、自分たちのルーツを大切にする心を、日本の皆さんにも知ってほしいです。海でつながった隣国でありながら、私たちはまだお互いを深くは知りません。伝統を守ることは簡単ではありませんが、その価値を信じ、守り続けていきましょう。私の音楽を通して、台湾という島、そしてパイワン族の鼓動を感じてもらえたらうれしいです。マサル(パイワン語で「ありがとう」)!

阪神梅田本店食祭テラスで開催している「台湾&沖縄 チュラネシアへの旅・亜熱帯フードトリップ」(3月16日まで)
舞台・ミュージカル2026年6月12日
累計発行部数1億2000万部を突破した、原泰久による大ヒット漫画を原作とした舞台の第2弾となる「キングダムII ―継承―」が、8月9日から上演される。本作は、苛烈な戦乱の中にある中国・春秋戦国時代を舞台に、戦災孤児の少年・信と、のちの始皇 … 続きを読む
ドラマ2026年6月11日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。小一郎と秀吉が播磨攻略に難渋する様子を描いた6月7 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年6月11日
山本耕史が、ゆりやんレトリィバァとブロードウェイで活躍するキャストとともに挑む、日米合作ブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」が、8月19日から上演される。本作は、1997年に映画をもとに誕生し、トニー賞作品賞を含む9部門にノミネー … 続きを読む
映画2026年6月10日
-久しぶりの主演作を経験し、お芝居について改めて気づいたことはありますか。 今後は、今までとは違うお芝居のアプローチに挑戦していってもいいのかな、と考えるきっかけになった気がします。現場で「ああすればよかった」、「こうすればよかった」とい … 続きを読む
映画2026年6月5日
『サンキュー、チャック』 (5月1日公開)★★★ チャックとは一体何者なのか 大規模な自然災害と人災が次々と地球を襲い、世界は終わりを迎えつつあった。すると、街頭やテレビ、ラジオに突如として、「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい … 続きを読む