エンターテインメント・ウェブマガジン
助演女優賞を受賞した『ミナリ』のユン・ヨジョンさんが大好き。なぜかというと気合の入った女性だからです。一つ一つの受け答えにエスプリが利いていて、ただ優しいだけではないピリッとした、しかもパッと返す瞬発力があって、こんな大人になりたいと思いながら見ていました。ブラッド・ピットがプロデューサーなのに一度も現場に来なかったことを明かしたり、監督のことを「友達に愚痴を言わなかった唯一の監督だ」とおっしゃったり。でも、案内役をしていなかったら、彼女がこんなにすてきな女性だということにも気付けなかった。
他にも、『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』で歌曲賞を受賞したH.E.R.さんや、『マ・レイニーのブラックボトム』でメイク・ヘアスタイリング賞を受賞したチームのコメントがそうでしたけど、去年はブラック・ライブズ・マターの香りが色濃い年で、今起こっている政治的な問題への返答みたいなものにアカデミー賞はちゃんと声を出して対応しているんだなと思いました。単なるエンターテインメントではなく、そういう人を受賞させるんだ! ということが、授賞式から感じられました。
はい、予想しました。もちろん当たった部分もあったけど、意外と外れちゃったかな。例えば、主演男優賞は、誰もアンソニー・ホプキンスだと思っていなかった。だからすごい空気で終わりましたし、主演女優賞のフランシス・マクドーマンドも、既に2回取っているから予想できなかった。私は、『プロミシング・ヤング・ウーマン』のキャリー・マリガンだと思っていました。でも、『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督は予想通り取りました。今年はすごく難しいと思います。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が有力だって言われていますけど、配信作品なので、違うベクトルの駆け引きもあるでしょうし。主演女優賞なんて混戦も混戦。でも読めない方が面白い。誰が取るだろうってワクワクする分、楽しみが大きいです。
『ドライブ・マイ・カー』の国際長編映画賞と、助演女優賞のアリアナ・デボーズですかね(笑)。
(取材・文/外山真也)
「生中継!第94回アカデミー賞授賞式」 3 月 28日(月)午前7時30分~ [同時通訳] [WOWOW プライム] [WOWOW オンデマンド] <字幕版>3 月 28 日(月)午後10時~[WOWOW プライム] [WOWOW オンデマンド]
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東京2013/12/7