【インタビュー】映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』小池美波&原田葵が語る欅坂46への思い「恐れずに変化と向き合っていきたい」

2020年4月3日 / 12:00

 2016年にデビューし、アイドルという枠を超えた圧倒的なライブパフォーマンスと独創的な世界観でファンを魅了する欅坂46のドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』が、近日公開される。デビュー1年目での紅白歌合戦出場、そして全国で大規模アリーナツアーを行い、わずか3年半で東京ドーム公演にたどり着いた欅坂46の道のりは、まさに“快進撃”とも言える歴史だが、その裏側でメンバーたちが何を思い、何が起こっていたのか。本作では、これまで公の場に出ることがなかった貴重な記録映像と、最新の独占インタビューで彼女たちの“いま”を映し出す。欅坂46結成時からグループを支えてきた小池美波と原田葵に、改めてグループへの思いを聞いた。

小池美波(左)と原田葵

-欅坂46にとって初めてのドキュメンタリー映画が公開されます。公開が決まった気持ちを教えてください。

小池 この4年間で本当にいろいろなことがあったので、ファンの方に見てもらうのはやはり怖いですし、どういった感想を頂くのかと心配ではあります。まだ(取材当時)私たちは完成した映画を見ていないのですが、私たち自身も見るのは怖いんです。でも、ファンの方たちには、舞台裏の私たちも見ていただいて、もっと好きになって欲しいと思います。特に平手(友梨奈)はグループ結成当初から一番大きな変化があったメンバーだとそばで見ていて思ったので、きっとファンの方も知らない姿が見られると思いますし、改めて「欅坂ってこういうグループなんだ」って感じていただけたらうれしいです。

原田 自分たちが頑張ってきたことを映画にしていただけるのはうれしかったのですが、ファンの方や見た方にどう思われるのかなという不安な思いもありました。やっぱり、アイドルとして見られてはいけない部分もあると思うので…。悩みも深かったですし、それぞれのメンバーがどう思っていたかということは見せてもいいものなのかなという怖さは今もあります。でも、作品を作るにしろ、ライブを行うにしろ、私たちはそのときに、できる限りの努力をして頑張ってきたので、その姿を見て、もっと自分たちを応援してくれたらうれしいです。

-苦悩も多かった4年間だったと思いますが、楽しかったり、うれしかったこともたくさんあったと思います。今、改めてデビューから今までを振り返って、一番印象に残っていることは?

小池 2017年に開催した「欅共和国2017」はどんどん状況が変わっていく中で行われたので、大変ではありましたけど、とても楽しかった思い出があります。その後の「欅坂46全国ツアー2017『真っ白なものは汚したくなる』」の頃から平手が参加できないことがあったり、メンバー同士で意見が合わないということが出てきて、泣きながら話し合いをしたこともありました。ある意味、その頃から綱渡りの状態で、いつ落ちてしまうか分からないという不安や恐怖を持ちながらの歩みだったので、メンバー同士の絆も深まったように思います。大きな変化があったということもあって、その全国ツアーは印象に残っています。

原田 私も、16年の有明コロシアムでの初のワンマンライブと「欅共和国2017」は、時間がない中、朝から夜までメンバーみんなで頑張ったのでたくさん思い出があります。でも、一番印象に残っているのは、17年の年末、初めて「不協和音」を歌った紅白歌合戦です。自分たちはどうなっちゃうんだろうというヒヤヒヤした感情や、何もできない自分に対する無力感は、いろいろな意味で印象的で、きっとあの日の記憶はずっと残り続けると思います。

-本作には、新たに撮影されたインタビュー映像も収録されていました。インタビューはいかがでしたか。

原田 監督から質問していただいて、それに答える形で撮影していただいたのですが、きれいごとは必要ないと思ったので、私は思っていたことを正直に話したつもりです。

小池 私は「二人セゾン」についてのお話をたくさんさせていただきました。やはり平手が出られなくなったときに、平手の存在感の大きさを改めて感じましたし、そう思う自分に悔しさもあって、複雑な気持ちがあったんです。そんな思いを話しています。

-今回の作品では、平手さんの脱退、織田奈那さん・鈴本美愉さんの卒業、佐藤詩織さんの活動休止までの欅坂46の姿が映されています。改めて、彼女たちにメッセージをいただけますか。

小池 それぞれ感謝の気持ちがたくさんあるので、本人たちには思ったことを直接伝えてはいるのですが…。平手は「欅坂はこういうグループだ」という形を作ってくれて、グループを引っ張ってくれた人なので、そういう意味でもすごく感謝しています。織田は誰かが悩んでいると寄り添って、笑顔を引き出してくれる子なので、卒業してしまうことは本当に寂しいですが、感謝の気持ちで送り出してあげたいと思いました。鈴本は、私にとって一番憧れのメンバーでした。みんなをサポートしてくれる優しい、尊敬できる子で、今でも感謝しています。しーちゃん(佐藤)とは、休止することが決まってからゆっくり話せていないのですが、休止することを直接話してくれて…。今はしーちゃんがやりたいことをやって、その間、私たちが頑張って、しーちゃんが戻ってきたときにいい状態であるようにしたいと思っています。

原田 私もそれぞれに感謝の気持ちがあります。だからこそ欅坂をやめたこれからも幸せな生活を送って欲しいとすごく思っています。しーちゃんは、卒業ではなくて、休業という選択肢を選んでくれたことに感謝したいです。私も休業をして戻ってきた経験があるのですが、やっぱり戻ってくる時には不安もありました。しーちゃんも不安をたくさん抱えていると思いますが、戻ってきたら私たちみんなで支えたいですし、戻ってきてくれることはとてもうれしいことなので、絶対に戻ってきてほしいと伝えたいです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】映画は原作を超えたか 沖縄の現代史を背景に描いた力作『宝島』/純文学風ミステリーの趣『遠い山なみの光』

映画2025年9月18日

『宝島』(9月19日公開)  1952年、米軍統治下の沖縄。米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民たちに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。  村の英雄でリーダー格のオン(永山瑛太)と弟のレイ(窪田正孝)、彼らの幼なじみ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】レジェンドたちの「朝鮮の旅」たどった写真家の藤本巧さん

2025年9月18日

 朝鮮の文化を近代日本に紹介した民藝運動家の柳宗悦や陶芸家の河井寛次郎。彼らが1930年代に見た朝鮮の風景に憧れ、1970年に韓国の農村を訪れたのが写真家の藤本巧さんだ。以来50年以上にわたり、韓国の人々と文化をフィルムに刻み続けてきた。 … 続きを読む

エマニュエル・クールコル監督「社会的な環境や文化的な背景が違っても、音楽を通して通じ合える領域があるのです」『ファンファーレ!ふたつの音』【インタビュー】

映画2025年9月18日

 世界的なスター指揮者のティボ(バンジャマン・ラべルネ)は、突然白血病を宣告され、ドナーを探す中で、生き別れた弟のジミー(ピエール・ロタン)の存在を知り、彼の隠れた音楽的な才能にも気付く。兄弟でありながらも異なる運命を歩んできた2人。ティボ … 続きを読む

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

Willfriends

page top