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【インタビュー】映画『しまじろうとうるるのヒーローランド』ももくろちゃんZ 特別なポジションに立つために必要なことは“向上心”と“自然体”

 結成10周年目を迎えた「ももいろクローバーZ」、新体制になっても、ツアーやライブ、イベント出演など精力的な活動は変わらず、キッズ向けユニット「ももくろちゃんZ」としての活躍の場も広げている。そして今回、映画『しまじろうとうるるのヒーローランド』の主題歌「HERO」を担当する。そんな彼女たちに、子どもの頃から慣れ親しんだアニメ作品に携わる心境や、アイドルとしてヒーローのような特別なポジションに立ち続けるための心構えなどを語ってもらった。

ももいろクローバーZ

-25年前に誕生した人気アニメ「しまじろう」の映画主題歌を担当することになったお気持ちは?

百田夏菜子 小さい頃に見ていたアニメなのでうれしかったのと同時に、小っちゃい子にちゃんと届くように歌わないといけないという緊張もありました。

佐々木彩夏 しまじろうと一緒に仕事ができるなんて考えてもいなかったので、とてもうれしかったです。

高城れに 「ハッピー・ジャムジャム」を聞いて踊っていたし、今でも耳に残る曲なので、「HERO」もみんなの思い出の1曲になってほしいです。

玉井詩織 2年前から、子ども向け番組「ぐーちょきぱーてぃー」(hulu)をやらせてもらって、小さい子との交流が増えてきた中で、子どもの頃に見ていたアニメの映画主題歌を任されたことは感慨深いです。しまじろうの力を借りて、ももくろちゃんZももっと知ってほしいです。

-たこっぴい役で声の出演もしていますが、たこ焼きをモチーフにしたキャラクターを見た時の感想は?

玉井 台本を読んだときは小っちゃいカラフルなタコを想像していたので、たこ焼きだったのにはびっくりしました。

百田 収録が別々だったので、リアクションを共有できなかったのは残念です。

佐々木 私は最初、たこ焼きかどうかも分かりませんでした(笑)

高城 これは子どもの発想ですよね。カラフルでフルーツ味のたこ焼きは、「しまじろう」の世界に合っていると思いました。

-アフレコは満足にできましたか。

百田 私のたこっぴい(赤・いちご味)はりりしい顔で、「しっかりした感じ」を求められたので最初は戸惑ったし、難しかったです。でも、収録は楽しかったです。

佐々木(ピンク・もも味) 元気よくやっても、しまじろうたちがもっと元気なのがすごかったです。子どもたちが聞き取りやすい声やテンポも勉強になりました。

高城(紫・ぶどう味) 逃げるシーンでは「ジェットコースターに乗っている風に絶叫して」と言われましたがちゅうちょしてしまい、「足りない」と言われました。難しかったです…。

玉井(黄・レモン味) 「キャー」というせりふは「セクシーなお姉さんみたいだから、もう少し子ども向けに!」と言われました(笑)。声が低いせいもあって、トーンを合わせることが難しかったです。「たこー」と叫びながら飛ばされるシーンは、普段そんなシチュエーションがないので、先に録ったメンバーの声を参考にしました。

-映画を見ながら歌ったり踊ったり、休憩時間があったり、初めての映画館体験にお薦めの作品ですが、皆さんのファーストシネマは何でしたか。

玉井 お兄ちゃんたちと見た『モンスターズ・インク』かな。感動して泣きましたが、お兄ちゃんに気付かれることが小さいながらに恥ずかしくて、ごまかしました。

佐々木 『とっとこハム太郎』です。大好きなハム太郎とミニモニさんがコラボしたキャラクター「ミニハムず」が出るというので、幼稚園の年長のときにパパに連れて行ってもらいました。

高城 人見知りでお泊まり会が嫌いでしたが、それを達成したご褒美に、家族で『クレヨンしんちゃん』か『ドラえもん』を見に行きました。

百田 『ワンピース』か『ドラえもん』です。『ワンピース』はお母さんとお兄ちゃんが好きなので、家族で見に行きました。『ドラえもん』は映画館で見るともらえるグッズがうれしかったです。今回は「ヒーローステッキ」がもらえるので、子どもたちも喜んでくれたらいいな。

-「優しい心が君をヒーローにする」がテーマの作品ですが、皆さんにとってのヒーローは誰でしたか。

玉井 ひろみちお兄さん(佐藤弘道)です。小さい頃から見ていたので、「ぐーちょきぱーてぃー」での共演は夢のようです。「ポケットモンスター」のサトシも好きで、会えないと知ったときはショックでした。

高城 ヒーローとは違いますが、毎日CDを聞いたり歌ったりするほど「だんご3兄弟」が好きでした。縫いぐるみもたくさん持っていて、会いたいな…と思っていました。

佐々木 3歳からダンスをやっていたのと、ディズニーランドが大好きだったので、ミッキーやミニーと一緒に踊るパレードのお姉さんになりたかったです。ジェットコースターとかは苦手だったので、パレードやショーを見るためにディズニーランドに行っていました。

百田 私も3歳から新体操をやっていて、先輩のお姉さん方が格好よくて、あんな風になりたいなと憧れていました。

-皆さんも子どもたちやファンにとってはヒーローのような存在ですが、特別なポジションに立つ上で気を付けていることはありますか。

佐々木 子どもたちの憧れや、大人として手本になるお姉さんでありたいと考えています。

玉井 子ども番組をやるようになって言葉遣いには気を付けるようになりましたが、私たちはキャラクターを作っているわけではないので、特別意識していることはないです。よく「元気だね」と言われるけど、頑張って元気にしているわけではないので、自然体でいることが大事だと思います。

高城 でも、みんなの前でパフォーマンスするときは、まず自分が楽しまないと伝わらないので、楽しもうという気持ちは常に持っています。子どもたちに対しては、大人として「教える」というスタンスだけど、教わることも多いので、彼らの言葉や発想を素直に受け止めて、お互いに成長したいです。

百田 番組の収録中は、子どもたちが私たちのことをすごく見ているので、言動は気にします。あと、この仕事は分からないこと、できないことが多いので、もっとうまく歌いたいとか、どうすればもっとたくさんの人に伝わるか…と常に考え、明日は今日よりうまくなりたいという意識を持っています。

-最後に読者にメッセージをお願いします

玉井 小さい頃に見た映画は大人になっても忘れないので、この映画が皆さんの記憶に残る映画になればうれしいです。

高城 こういうファミリー映画には生きる上で大切なことの基本的な部分が詰まっているので、大人の方には映画を見ることで忘れてしまった何かを思い出してほしいし、子どもたちには感じ取った大事なものをいつまでも忘れないでいてほしいです。

佐々木 大人になると「しまじろう」を見る機会はあまりないと思いますが、ももくろちゃんZをきっかけに、大人の方も友達を誘って見に来てください。

百田 ぜひ、家族で「しまじろう」を見て、「HERO」を歌って踊ってください!

(取材・文・写真/錦怜那)

(C)Benesse Corporation 2019

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