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【インタビュー】『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』ニック・ジョナス「ドウェイン・ジョンソンは、みんなのリーダー的存在でした」

 全世界で9億ドル以上の興行収入を上げた大ヒット作『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』が4月6日から全国公開される。本作は、テレビゲームの世界に迷い込んだ高校生たちが、マッチョな冒険家やセクシー美女などのゲームキャラに姿を変え、スリル満点の冒険を繰り広げる壮大なアドベンチャーだ。劇中で高校生たちと共に冒険を繰り広げる青年シープレーンを演じたニック・ジョナスが、撮影の舞台裏を語ってくれた。

シープレーンを演じたニック・ジョナス

-この映画は世界中で大ヒットしています。この結果は予想していましたか。

 正直、どうなるのか全く想像できなかったので、とても驚いています。これだけ世界中の方に気に入っていただけたのは、恐らく期待以上の出来栄えだったということでしょう。心を込めて作った映画なので、本当にうれしいです。

-あなたが演じたシープレーンというキャラクターについて教えてください。

 この映画は『ジュマンジ』(95)の続編で、シープレーンは前作でロビン・ウィリアムズが演じた主人公に最も近い役です。前作の主人公もシープレーンも、長い間ゲームの中に閉じ込められ、出てくることができませんでした。今回はシープレーンがいなければ、他の4人はゲームをクリアすることができません。同時に、シープレーンも彼らがいなければゲームから抜け出すことができない。そこからお互いの間に友情が生まれる点が、この物語の魅力になっています。

-ロビン・ウィリアムズの名前が出ましたが、前作の印象を教えてください。

 私は前作の大ファンなんです。今回の出演が決まったのも、ちょうど前作を見ているときでした。「なんてタイミングだ!」と思いました(笑)。ゲームの中に入ってしまうというアイデアがとてもユニークで、ロビンは数多い出演作の中でも特に素晴らしい演技を見せています。この映画にも彼に対するオマージュがたくさん盛り込まれています。それと同時に、この映画は前作を知らない人でも楽しめるようになっているので、逆に前作に興味を持ってもらうという役割も果たすことができました。

-シープレーンは、外見は大人で内面が高校生というキャラクターですが、演じた感想は?

 “何々ごっご”ではありませんが、「誰かに成り切る」というのはまさに演技の醍醐味(だいごみ)です。シープレーンは、若者らしい明るさやちょっとした不安など、心の中にさまざまな層を秘めた役。大人の役であれば気持ちを抑えなければならないところですが、若者ならではのいろいろな層を持っていられるワクワク感がありました。そこが演じていて面白かったです。

-この映画には、ドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、ケビン・ハート、カレン・ギランという豪華な出演者たちがそろっていますが、共演した感想は?

 最初はあまりにもすごい人たちがそろっていたので、ちょっとひるみました(笑)。単に有名というだけでなく、みんなきちんと理由があって今の地位を築いたアイコン的な存在ですから。だけど、逆にその気持ちを力に変えて、この仕事を通じて、監督や共演者からいろいろなことを吸収しようという意気込みで臨みました。今回は、「体が入れ替わる」というちょっと変わった要素があるので、ドウェインが気の弱い高校生を演じたり、ジャックが女性になったり、今までにない演技が見られるのも、皆さんが楽しめるところではないでしょうか。

-彼らから学んだことは?

 今回学んだのは、カメラが回っていないときの現場の雰囲気というものが、思った以上に実際の作品に出るということです。特にドウェインはリーダー的な存在で、みんながいる場所の雰囲気作りをとてもうまくやってくれました。もちろんそれも仕事には違いありませんが、そういう楽しい雰囲気が演じる上でとても力になりました。

-ジャングルが舞台ということで、撮影はハワイで行われたそうですが、苦労も多かったのでは?

 そうですね。やはりジャングルなので、暑さや虫など、予期しなかった苦労がたくさんありました。とはいえ、映画の中でジャングルは重要な役割を果たしています。だから、もし続編があればまたジャングルでやりたいです。

-この作品で最も大変だったことは?

 撮影そのものはそれほど大変ではありませんでしたが、ロケ地が遠い場所だったので、家族や友人と長い間離れていたのが寂しかったです。俳優としては慣れなければいけないことですが、普段と違う場所にいるのは大変でした。慣れるまでは、家族や友達が来てくれるのがとてもうれしかったです。

-家族や友人のサポートもあってこの映画が出来上がったのですね。

 そうです。チームワークの成果です。みんなが一生懸命やったおかげで、この映画が完成しました。

-この映画に込められているメッセージは?

 自分を受け入れることと、自分の周りにいる人も受け入れるということ。さらに、他の人の目で世界を見ることの大切さです。この映画では登場人物がテレビゲームの中に入ってしまいますが、人生はゲームのようには進みません。人生は一度だけ。その一度だけの人生を最大限に頑張って歩まなければならない。でも、その時は友人や信頼できる仲間があなたの周りにいるはずです。

-日本の観客に、この映画をどんなふうに楽しんでほしいですか。

 これまで世界中の方にこの映画を見ていただき、そのフィナーレを飾る場所として日本にやってきました。コメディーやアクションだけでなく、この映画には心があります。ぜひこの映画を見て、日本の皆さんがその心を感じていただけたら、とてもうれしいです。

(取材・文・写真/井上健一)

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』
MX4D/4DXにて先行上映中。4月6日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。

 

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