【映画コラム】本当にこれが最終章なのか…『96時間/レクイエム』

2015年1月9日 / 23:00

(C)2014 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

 元CIA工作員のブライアンを主人公にしたシリーズ第3作にして最終章となる『96時間/レクイエム』が9日から公開された。

 『96時間』(08)『96時間/リベンジ』(12)で、体を張って元妻(ファムケ・ヤンセン)と娘(マギー・グレース)を守ってきた“無敵の父親”ブライアン(リーアム・ニーソン)が、この第3作では何と元妻殺害の容疑者として警察から追われる身となる。

 今回の新味は、ブライアンが工作員時代に身に付けた特殊なスキルを武器に、警察の追跡をかわしながら謎の黒幕に迫っていくところ。前2作はパリ、イスタンブールと外国が主舞台となったが、今回はブライアンの“地元”ロサンゼルスで、迫力満点の格闘シーンや、カースタントが繰り広げられる。還暦を過ぎたニーソンが、全く年齢を感じさせない激しいアクションを披露する。

 また本作では、フォレスト・ウィテカーがブライアンを追う警部を演じているが、彼は心の隅ではブライアンが犯人ではないのでは?と思っている節がある。そんな2人の関係は、ハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズが追う者と追われる者を演じた『逃亡者』(93)をほうふつとさせる。

 本作は、製作、脚本リュック・ベッソン、脚本ロバート・マーク・ケイメン、主演のニーソンという、『96時間』から続くトリオに加えて、前作に続いてオリビア・メガトンが監督を担当。シリーズを貫くハードなアクション+家族や仲間との絆というテーマを描くには、同じ顔触れによるチームワークが不可欠だったのだろう。

 ところで、本作は最終章をうたっているが、まだまだ続きが出来てもおかしくはない終わり方をしている。ブライアン復活の可能性も十分にあると見たが…。(田中雄二)


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