【映画コラム】“異色裁判”映画『恋愛裁判』『MERCY マーシー AI裁判』

2026年1月24日 / 08:00

『MERCY/マーシー AI裁判』(1月23日公開)

『MERCY/マーシー AI裁判』

 凶悪犯罪が増加する近未来。敏腕刑事のレイヴン(クリス・プラット)の提唱で、AIが裁判官を務める「マーシー裁判所」が設立された。だが、ある日レイヴンが目を覚ますと、妻殺しの容疑で自らがマーシー裁判所に拘束されていた。

レイヴンが無実を証明するには、AIが支配する世界中のデータベースから証拠を集め、AI裁判官のマドックス(レベッカ・ファーガソン)が算出する「有罪率」を規定値まで下げなければならない。それがかなわなければ即処刑という状況の中、レイヴンは残された90分で真実にたどり着こうと知恵を絞る。

 AIが司法を担う近未来を舞台にしたリアルタイムアクションスリラー。監督が、物語が全てパソコンの画面上を捉えた映像で進行していく『search サーチ』(18)のプロデューサーのティムール・ベクマンベトフだけあって、今回は主にデータベース上で物語が進行する。

 被疑者のレイヴンとAI裁判官のマドックスは、裁判所から一歩も外には出ないため、密室劇が主になるのかと思いきや、データベース上のすさまじいばかりの情報量、目まぐるしく切り変わる映像に圧倒されるから閉塞(へいそく)感はない。また90分というタイムリミットの中、映画の上映時間もほぼ同時に進むためスピード感と緊張感も味わえる。

一方、一切感情に左右されないはずのマドックスがレイヴンに感化され、感情的になるところも面白い。ほぼワンカットで長ぜりふの応酬をするプラットとファーガソンの演技合戦も見ものだ。

(田中雄二)

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