【週末映画コラム】出演者たちの好演が不思議な話に説得力を与える『花まんま』/ゲームの世界の実写化を楽しむ『マインクラフト/ザ・ムービー』

2025年4月25日 / 08:00

『マインクラフト/ザ・ムービー』(4月25日公開)

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 採掘マニアのスティーブ(ジャック・ブラック)は、子どもの頃から憧れていた採掘場で青く光る謎のキューブを見つけ、それに触れたことで、全てが四角形でできた異世界へ転送されてしまう。そこは、自分が考えたモノをなんでも創造することができる「マイクラワールド」だった。

 その後、マイクラワールドに、落ちぶれた元人気ゲーマーのギャレット(ジェイソン・モモア)、改造が得意な少年ヘンリー(セバスチャン・ハンセン)とその姉のナタリー(エマ・マイヤーズ)、そして動物園を開こうとしている不動産業者のドーン(ダニエル・ブルックス)が転送されてくる。

 現実に満たされず、年齢も境遇も違う4人は、スティーブと共に、全てが四角い異世界で創造力を駆使してサバイバルを繰り広げる。

 2014年に「世界で最も売れたインディーズゲーム」としてギネス世界記録に認定され、23年には世界売上本数が3億本を突破した北欧発の人気ゲーム「マインクラフト」を実写映画化。3Dブロックで構成されたバーチャル空間の中で、自分の好きなようにものづくりや冒険が楽しめるゲームの世界観を再現した。監督はジャレッド・ヘス。

 異世界を舞台に、駄目な大人の人生再生劇と子どもの成長物語を合体させるのはよくあるパターン。その点で、大人は中年男の再起に感情移入し、子どもたちはゲームの世界の実写化を楽しむというファミリー向けの映画になっている。色遣いがユニークで四角形の生き物たちが珍妙だ。ただしゲームのプレーの有無で印象は大きく変わるだろう。

 肥満化したブラックと肉体派のモモアという暑苦しくて濃い2人の共演が見もの。副校長役のジェニファー・クーリッジも笑わせる。

(田中雄二)

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