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ところで、本作を見ながら、以前取材した「爆音映画祭」のことを思い出した。これは、音楽ライブ用のサウンドシステムを使って映画を上映するもの。これだと音の圧力が違うし、普通の上映では聴こえない音が聴こえたりもする。
映画祭の主宰者は、見どころ(聴きどころ)として、戦争映画『プライベート・ライアン』(98)の、冒頭の激しい戦闘シーンで一瞬音が止まるところや、プロボクサー、ムハマド・アリの伝記映画『ALI アリ』(01)の、スパーリングから急にカットが変わってサンドバッグをたたくところの音などを挙げた。
その言葉を証明するかのように、本作を見ると、映画音響の仕事は、爆発や銃撃などの派手な音を表現するだけのものではない、ということがよく分かる。
劇中で、ルーカスが映画音響について語った「音は感動を伝える。映画体験の半分は音だ」という一言が心に響いた。(田中雄二)