【映画コラム】昔のB級SF映画のにおいがして楽しい『ジオストーム』

2018年1月20日 / 14:07

 世界中が度重なる自然災害に悩まされる中、科学技術者のジェイク(ジェラルド・バトラー)は、地球の天候を制御する気象コントロール衛星“ダッチボーイ”を開発して地球を救った。ところが3年後、衛星が暴走を始め、地球に再び危機が訪れる…というSF映画『ジオストーム』が公開された。

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., SKYDANCE PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 この映画、題材の大きさや深刻さの割には、「おいおい本当に大丈夫か」「そんなことでいいのか」と思わず突っ込みを入れたくなるような、あまりにも能天気な展開を見せるのだが、何だか昔のB級SF映画やパニック映画のようなにおいがしてきて楽しくなる。

 キャストも、主演のバトラーは全く科学技術者には見えないし、弟役のジム・スタージェスは国務省のエリート職員にしては間抜けに見えるし、エド・ハリスはお決まりの○○役で、太り過ぎのアンディ・ガルシアが大統領とは…。女性シークレットサービス役のアビー・コーニッシュの“男前”ぶりが余計に目立つなど、類型的な役柄を楽しそうに?演じている彼らを見ていると思わず失笑させられる。

 とはいえ、この映画は、もともと何かを訴えるとか、告発するといった意図で作られてはいないのだから、娯楽作として割り切って見れば十分に楽しめる。ディーン・デブリン監督の強引な力業に注目だ。

 
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