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加えて、本作の監督、脚本、主役は皆女性ということもあり、独自の視点から映画作りに新風を吹き込み、人間的にも成長していくカトリンの姿を通して、女性の自立を描くことも忘れてはいない。そこに現代的な視点が表れていると言ってもいいだろう。
また、同じ出来事を題材に、鳥瞰的な戦争物として描いた大作『ダンケルク』と、市井の側から外伝的に描いた本作が、同時期に作られた事実も興味を引く。
と、いろいろと見どころの多い映画ではあるのだが、こうした映画製作の舞台裏を描いた映画は、筆者も含めた映画好きのつぼを刺激し、うれしくなって点数を甘くさせるところがあることをお忘れなく。(田中雄二)