【大河ドラマコラム】「鎌倉殿の13人」第4回「矢のゆくえ」現代語のせりふが醸し出す臨場感

2022年2月3日 / 13:33

 確かに、「ちょっといいかな?」というせりふだけに注目すれば、時代劇らしくない気もする。だが、このせりふがあることで、700年以上昔の出来事が、あたかも今目の前で起こっているように感じられないだろうか。

 実際、私たちの日常で「ちょっといいかな?」という言葉が飛び出しそうなのが、さまざまな会議の場だ。いつの間にか本題から脱線して盛り上がっていく話題に、司会者が「ちょっといいかな?」と割って入って流れを変える…。そんな状況に遭遇したことがある人も多いのではないだろうか。

 現代語のせりふには、そんな自分たちの経験を義時や頼朝たちのやり取りに重ね、物語を身近に引き寄せることで、臨場感を高める効果があるように思うのだ。(もちろん最終的には、三谷幸喜が書いた台本に基づくコミカルな演出や芝居も含めた総合的な結果であるのだが)。

 劇中では、ついに注目の源平合戦が幕を開けた。結果自体は分かっているとはいえ、そこにたどり着くまで、どんなドラマが繰り広げられるのか、気になるところ。その行方を、現代語のせりふが醸し出す臨場感とともに味わっていきたい。

(井上健一)

北条義時役の小栗旬(左)と八重役の新垣結衣

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