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つまり、時代の波に乗った栄一も、乗り遅れた川村や喜作たちも、激動の時代を懸命に生きた一人の人間という点では、何ら変わりはない。そして、命を落とした土方などを別にすれば、どちらの人間にも、同じようにその後の人生がある。そう考えると、彼らの生きざまは、今を生きる私たちにも響くものがあるように思えてくる。
主人公だけにフォーカスせず、多彩な人間模様を描くことでドラマの奥行きが増し、その時代が立体的に浮かび上がるとともに、見ている側も身近に引き寄せやすくなる。それこそが大河ドラマの大きな魅力であると、改めて実感した第二十七回だった。(井上健一)