【大河ドラマコラム】「青天を衝け」第二十七回「篤太夫、駿府で励む」新しい時代の波に乗る栄一と乗り遅れた男たちの多彩な生きざま

2021年9月23日 / 16:51

 つまり、時代の波に乗った栄一も、乗り遅れた川村や喜作たちも、激動の時代を懸命に生きた一人の人間という点では、何ら変わりはない。そして、命を落とした土方などを別にすれば、どちらの人間にも、同じようにその後の人生がある。そう考えると、彼らの生きざまは、今を生きる私たちにも響くものがあるように思えてくる。

 主人公だけにフォーカスせず、多彩な人間模様を描くことでドラマの奥行きが増し、その時代が立体的に浮かび上がるとともに、見ている側も身近に引き寄せやすくなる。それこそが大河ドラマの大きな魅力であると、改めて実感した第二十七回だった。(井上健一)

渋沢喜作(成一郎)役の高良健吾(左)と土方歳三役の町田啓太

 

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